前回ダイジェストとしてサスタビメンバーがラオスを訪問した際の記事を書きました。
その中でもピックアップして1つ紹介したいものが、サスタビ20ヶ条のなかにある項目をいくつか満たしている、ヴィエンチャン郊外にある「ラフォーレ」という施設です。
ラフォーレってどんなところ?

ラオスの首都ヴィエンチャン市内から車で約1時間。2024年にオープンしたばかりの自然体験型スポット「LaForet(ラフォーレ)」は、森に囲まれた広大な敷地でアクティビティを楽しめる新しい観光スポットです。急速に都市開発が進むヴィエンチャン近郊において、貴重な森林を保全しつつ、人々が自然に触れ合える場を創出することを目的に企画されました。(出典)
開発にあたっては森林を極力そのまま活かす配慮がなされており、敷地内に建造物はほとんどなく、必要最低限の施設で環境に優しいエコフレンドリーな設計です。まだ日本語の情報は少ないですが、行ってみると自然アクティビティが好きな層にはすぐに人気が出そうなポテンシャルを感じました。
入場料は大人80,000キープ(約600円)ほど。入場したあとすぐにボートで川を渡り森の中へ入っていくのですが、日常から非日常へゲートをくぐるような、そんな冒険気分が高まる演出になっています。
アクセス方法

ヴィエンチャン市内からは約32km離れており、車やレンタルバイクでおよそ1時間ほどかかります。郊外では配車アプリが使いづらいため、車で訪れる場合は1日チャーターを利用し、帰りの足も確保しておくのがおすすめです。
環境への負荷を考えるなら、電動バイクでのアクセスも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。実際に電動バイクのレンタル事業を行っている方が、電動バイクで訪れている様子を発信しているのも見かけました。
ラフォーレのサステナブルな取り組み
ラフォーレでは、サスタビで提唱する「サスタビ20ヶ条」の中から、特に次の項目に該当するポイントが挙げられます。
人気の場所以外の新しい見どころを発見しよう

ラフォーレは2024年にオープンしたばかりのスポットで、ヴィエンチャンの定番観光地とはひと味違う穴場の魅力があります。私たちが訪れたときも人が少なく、ゆったりと過ごすことができました。市内の有名な観光地を巡るだけでなく、郊外の新しいスポットを開拓することで、旅の楽しみ方はさらに広がっていきます。
徒歩・自転車で、ゆっくり旅先の土地を楽しもう

施設内では徒歩での散策はもちろん、レンタサイクルで楽しむ森林浴サイクリングも推奨されています。自分の足でゆっくり移動することで、森の空気や音、景色にじっくり耳を澄まし、五感を通してその魅力を味わってください。
自然体験型プログラムに参加してみよう

キャノピーウォークやジップライン、キャンプ体験など、自然の中でアクティビティを満喫できるプログラムが豊富です。専門スタッフのもとで安全に配慮しながらスリリングな体験ができ、自然の偉大さや癒やしを肌で感じることができます。
在来種を知ろう

園内のオーキッドガーデンでは、ラオス原産の蘭が300種以上紹介されています。竹で造られたパビリオン内の展示コーナーでは、各地の竹の種類を学ぶことも可能です。(出典)さらに、樹齢200〜300年を超える大木も少なくなく、森に息づく動植物に触れられる機会が用意されています。
その他のサステナブルツーリズムに繋がる取り組み

訪問後に調べて分かったのは、ラフォーレ自体が持続可能性を重視した運営を行っているという点です。
前述のように森林保護の観点から開発を最小限にとどめ、環境への負荷を抑える施設や設備を採用していること。さらに、電力消費の少ない電動カートの導入、ゴミ分別の徹底、プラスチック削減への取り組みなど、随所にエコフレンドリーな姿勢が見て取れます。
また地域社会への貢献にも力を入れており、地元雇用の創出や収益の地域還元、地元農家との連携による食材調達を通じて、訪れる旅行者が地域経済にプラスの影響を及ぼす仕組みが築かれています。(出典)単に自然を消費するのではなく、自然と人が共生し次世代へとつなげていく観光地。ラフォーレはまさにサステナブルツーリズムの理想形の一つと言えます。
実際のラフォーレ体験レポート

朝のヴィエンチャンを出発しておよそ1時間。舗装が途切れる郊外の道を進むと、やがて川沿いに小さな受付小屋が見えてきます。ここがラフォーレの入口。チケットを買うと、待っていたのはボート。ボートに乗ってナムグム川をわたり、対岸の森の中へ向かいます。日常から非日常へ切り替わる演出が、旅の気分を一気に高めてくれます。

上陸すると、森の入口で現地の方が露店を出店していました。地元のお母さんが焼いた焼き芋を購入。

昼食は「コプ・チャイ・ドゥ」にてラオス料理をいただきました。ヴィエンチャン市内にも店舗を持つ有名ラオス料理チェーンのお店です。
ラオスの名物料理であるラープをはじめ、一緒に観光していたラオス人の方達のおすすめ料理をいただきました。
昼食後はラフォーレのメインアクティビティ「キャノビーウォーク」。
高さ20m超の吊り橋を渡りながら、森を見下ろす空中散歩です。橋は1本ではなく、何本もあり、予想より揺れる足元にドキドキしながら進みます。

足元は揺れ、思わず慎重になりますが、その緊張感こそが体験を特別なものにしてくれます。
橋の終着点は3本の木で支えられている展望カフェ。ここではキャノピーウォークの体験料金に1杯分のドリンクがついてくるため、みんなで森林浴をしながらドリンクタイムを楽しめました。
その後は自転車を借りて、ラフォーレ内の森の中をぐるりと一周。整備されて走りやすく、木漏れ日を浴びながら走る道は、都会の喧騒を遠くに忘れさせてくれます。
途中で立ち寄ったオーキッドガーデンは、300種を超える蘭が咲き誇るらしいです。(この日は見れなくて少し残念)

最後は再びボートで川を渡り、入り口へと、日常へともどります。わずか数時間の滞在ながら、ラフォーレでの時間は不思議と濃厚で、心がすっきりと解放された感覚がありました。ヴィエンチャンに滞在するなら、寺院巡りや街歩きに加えて、こうした自然の時間を織り込むことで、旅の記憶はぐっと豊かになるはずです。
さいごに

今回は体験できませんでしたが、ラフォーレにはキャノピーウォーク以外にも50〜220mの長さの森の中のコースを一気に滑走するジップラインや、BMX、そしてキャンプができるエリアまで完備されており、テントレンタルもあるようです。
ラフォーレは自然やサステナビリティに関心の高い旅行者にとくにおすすめだと感じました。ヴィエンチャン滞在中に「手軽に大自然に触れたい」「市内観光だけでは物足りない」という方にはうってつけのスポットではないでしょうか。往復半日~1日あれば訪問可能なので、週末の気分転換や旅程の合間に組み込んでみてください。
またヴィエンチャンのリピーターの方にも、いつもと違う体験ができる点も最適です。ぜひ、この記事をきっかけにラフォーレに足を運んで、ラオス流のサスタビに触れてみてください。
立命館大学大学院修士課程修了。専門は情報理工。NTTデータ入社後、大規模システム開発の維持管理やビッグデータを用いた観光分析を担当。世界一周後、場所にしばられずに働くを追求してITに特化した現代版なんでも屋を起業。チェコ親善アンバサダー、銀河高原ビールアンバサダー。通称、シャンディ。




この記事へのコメントはありません。