サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

「旅人が社会にとって役立つ世界をつくる」――『SAGOJO』新さんインタビュー

「旅人が社会にとって役立つ世界をつくる」――『SAGOJO』新さんインタビュー

サスタビでは、変わっていく旅の在り方を紹介するため、ユニークな旅のサービスの運営者にお話をうかがっていきます。今回インタビューさせていただいたのは、すごい旅人求人サイト『SAGOJO(サゴジョー)』を運営する株式会社SAGOJO代表取締役の新拓也さん。サービスの概要や立ち上げのきっかけ、今後の展望を伺いました。

 

すごい旅人求人プラットフォーム『SAGOJO』

―『SAGOJO』はどんなサービスですか?

新さん:旅人と、旅人にシゴトをお願いしたい地域(自治体・企業)をマッチングするサービスです。旅人側は旅をしながらリターンが得られて、地域側はまちの課題解決に向けて旅人のスキルを借りたり、地域のファンづくりができる。双方にWin-Winな状態をつくることを目指しています。

―マッチングするシゴトは、どんな内容ですか?

新さん:例えば、写真や映像制作のスキルがある旅人が地域のPRコンテンツをつくったり、料理人がご当地グルメを考案したりですね。旅行プランのモニターや農家のお手伝いなど、特別のスキルがなくてもできるシゴトもあります。1日で終わる短期依頼から、1ヶ月くらいかけて行う長期プロジェクトまで、種類も規模もさまざまです。

―どれくらいのユーザーが使っているのですか?

新さん:2021年10月の時点で、登録旅人数は約21,000人です。職種として多いのはライターさん(約3,000名)やカメラマンさん(約2,000名)など、クリエイター職の方です。変わったところだと、プロギャンブラーや秘境ハンター、ダンサー、連続起業家の方々にもご登録いただいています。
地域側は、40都道府県以上から何かしらプロジェクトを実施した実績があります。

―ユニークな職種の方も利用されているんですね。新さんが個人的におもしろいなと思われる旅人はいらっしゃいますか?

新さん:まさにおもしろい方々はたくさんいるので、2020年11月に「すごい旅人」認定マネジメント制度をつくって、企業や団体からの依頼を取りまとめるマネジメント業務もはじめました。その第一号が、片岡力也さんという方です。
片岡さんは、2019年12月に世界一周する新婚旅行へ出発されたんですが、新型コロナウイルスの影響でカーボベルデというアフリカ北西沖の小さな島国で足止めをくらったんです。観光ビザで入国しているため仕事もできないなか、彼は現地のホテルや飲食店、観光スポットをアピールする動画の無償制作をはじめました。その御礼にと宿泊場所やご飯を提供していただいて生活されていたそうです。小さな島だということもあり、その活動はすぐ政府関係者の目に留まり、東京五輪のカーボベルデ代表の公式アンバサダーに任命されました。今では、大統領とも面識があるというから驚きますよね。

▲ SAGOJOの「すごい旅人」第1号の片岡 力也さん

 

「旅が人生に役立つ世界」をサービスで実現する

―どういった経緯でこのサービスを立ち上げられたのですか?

新さん:僕自身がバックパッカーで人生観が変わった人間なので、この経験を多くの人にしてほしいという想いがあったんです。ただ、世の中には旅にネガティブな印象を持っている人が多いとも感じていました。「旅なんてただの娯楽で、やるべきことからの“逃げ”や“逃避”だ」って。そういう考えの人を動かしたくて、旅をテーマにしたビジネスがしたいと思うようになりました。
それで学生時代にまず、旅に関するメディアを運営しはじめました。社会人になってから数年間も趣味として運営し続けていたんです。ただ、旅のメディアを見に来る人って、すでに旅好きな人ばかりで。旅に消極的な人まで動かす力はないことに気付いて、自分のメディアに限界を感じてしまいました。人を動かそうと思うと、ただ情報発信するだけじゃなく、旅が社会的に役立つ状況をつくる必要があると思ったんです。旅を通して地域の課題を解決できるとか、旅をすることで人が稼げるようになるとか。

―その状況づくりのためのサービスとして『SAGOJO』が誕生したわけですね?

新さん:はい。最初の発想は、当時本業として務めていた会社での仕事から生まれました。その会社でもメディア運営の仕事をしていたのですが、あるプロジェクトで、海外を旅行中のクリエイターに協力してもらい企画を実現しました。旅人の力を借りることで、通常ならできないはずのことができたことが成功体験になって「これはビジネスになるのでは?」ということで、『SAGOJO』のアイデアにつながりました。

―リリース当初から大きな話題になったそうですね?

新さん:SNSで告知したら、ありがたいことに事前登録者数が3,000人を超えてしまって。「こんなサービスほしかった」「使ってみたい」という声もたくさんいただきました。実は最初はすぐに会社にする気はなく、仲間内でやっていくつもりだったのですが、大勢の方に期待いただいているのに半端なことはできないと思い、会社を立ち上げました。それが2015年12月です。

―現在、ユーザーが2万人を超えていらっしゃるとのことでしたが、どんな風にユーザーを増やされたんですか?

新さん:一番はクチコミです。登録済みの旅人が別の旅人に紹介してくださって、というケースが多いですね。あとは検索から来られる方もいます。「旅 仕事」とか「旅 Instagram」とかで検索して、Webサイトを見てご登録いただいているようです。
実は『SAGOJO』は、これまで一度も広告を打っていないんです。広告無しで登録者数がゼロから2万人に増えたのはビジネス的にも評価してもらえていて、それだけ旅というテーマが強いんだなと感じますね。

旅人と地域に、継続的なつながりをつくる『TENJIKU』

―『TENJIKU(テンジク)』についても教えて下さい。

新さん:当初、『SAGOJO』に集まるシゴト依頼はけっこう専門性の高いものが多くて、スキルの高い方しか関われなくなっちゃっていました。そこで、より裾野を広げるために2019年に立ち上げたのが『TENJIKU』です。
『TENJIKU』は、サゴジョブという、2~4時間程度の簡単なまちのお手伝いをすることで、地域内の提携施設に無料宿泊できるサービスです。簡単なまちのお手伝いのなかには、神社の境内の掃除や、地元の子どもと遊ぶことなんかも含まれます。滞在期間は2泊から5泊(初回)or 1ヶ月(2回目以降)まで。サゴジョブを通じて依頼主である地域の方々との深い関わりが生まれるため、ただの観光客ではなく地域の一員になったような滞在ができる点が魅力です。

―農泊のようなイメージですか?

新さん:『TENJIKU』では、宿泊施設の運営者と、お手伝いの依頼主が別です。宿泊施設を起点に毎日いろんな町の方のお手伝いをするため、地域内のいろんな方と関われます。農泊は旅人と農家個人のマッチングという色が強いと思いますが、『TENJIKU』は旅人と町全体のマッチングというイメージですね。

―『TENJIKU』の提携施設は全国にどれくらいあるのですか?

新さん:現在すでに旅人を募集しているのは12拠点で、現在準備中の拠点も5つ以上あります。僕たちからご提案してはじめるケースもあれば、自治体や地域のゲストハウスからお声がけいただくケースもあります。

地域側としては、単純にお手伝いをお願いしたいというよりは、関係人口を増やしたいのが一番のニーズです。観光客として通り過ぎていく人ではなく、帰ったあともつながりが続くような人を増やすことで、地域が活気づくのではと思います。

―最後に、今後の展望について教えて下さい。

新さん:一人でも多くの旅人にサービスを使っていただきたいので、まずはプロジェクト(シゴト依頼)の数や種類をもっともっと広げたいですね。現状は一件一件を依頼者と会話したうえで掲載していますが、ある程度自動化できるようにシステム開発を進めています。
また、スキルを得ていきたい人向けに、スキルアップの機会を提供することも考えています。
その先は、旅行プランの販売、スキルアッププログラムの販売なども検討していきたいです。目指しているのは、旅人がシゴトで対価を得つつ、それが次の旅に繋がり、地域にも還元されるような経済圏をつくること。その循環の中心を『SAGOJO』が担えたら最高です。

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