サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

企業を巻き込み、地域を守る!鴨川市総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」

企業を巻き込み、地域を守る!鴨川市総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」

里山の中の無印良品「里のMUJI」

都心から車で約2時間。房総半島のちょうど真ん中・鴨川市にある複合施設「里のMUJI みんなみの里」。

入口に大きく掲げられた「みんなみの里」と「無印良品」の2つの文字が目に飛び込んできます。

鴨川市総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」

周囲を見渡せば、嶺岡山の深い緑と田畑、川、海と豊かな自然がひろがる里山の中心に、なぜ大手の無印良品があるのでしょうか?

 

今回はサスタビメンバーによる視察のレポートと、「里のMUJI みんなみの里」が生まれた背景から見えてきた、地域と企業が共に作るサステナブルな未来へのヒントをご紹介します!

「里のMUJI みんなみの里」ってどんな施設?

「里のMUJI みんなみの里」は、①無印良品 ②農産物などの直売所 ③レストラン(Café&Meal MUJI)④開発工房 からなる総合交流ターミナルです。1999年に鴨川市が設置し、開業した「みんなみの里」を、2018年より良品計画が指定管理者として運営を引き継ぎ、リニューアルしたのが現在の「里のMUJI みんなみの里」です。

無印良品エリア

向かって右側の建物が無印良品。おなじみの日用品や雑貨類はもちろん、その地域ごとの風土から生まれた製品を取り扱う「諸国良品」シリーズの商品も。

鴨川市の酒造会社が作った日本酒。お米も鴨川産。

店内は無印良品らしい、シンプルでナチュラルな内装と、もともとの建物の太い梁や古い木蓋を活用した内装で、古さと新しさが融合した心地よい空間です。

地元の方が日用品を買いに来ていたり、観光客がふらっと寄ったり、いろんなお客さんが居ました。

無料の給水機が置いてあるのも、サステナブルな旅人にとってはうれしいところ!旅先での給水ポイントは貴重。サスタビメンバーもしっかり給水しました!

直売所エリア

向かって左側の大きな建物は、農産物の直売所とレストラン、多目的スペースが入っています。鴨川の棚田で作られるブランド米・長狭米や、南房総の野菜など、地域の農産物を扱っています。

店内の奥の方には多目的スペースがありました。無印良品の本屋さん「MUJI BOOKS」や、地域の文化やイベントを知るための情報コーナー、子どもの遊び場や飲食可能な自習スペースなども。

地域の人にも、観光客にも、誰もに開かれた自由な空間で、都市と農村の交流の場となっています。

レストラン「Café&Meal MUJI」

併設のレストラン「Café&Meal MUJI」でも、地元の野菜や長狭米を使った料理が楽しめます。

一押しは鴨川の旬が楽しめる「みんなみの里山プレート(1200円)」一緒に頼んだジビエカレーやわかめ麵も、他ではなかなか見られないメニューで、どれもおいしかったです!

(引用:無印良品

店内は電源&Wi-Fi完備で、自由に読める本も置いてあるので、それぞれが好きな過ごし方でゆっくりできます。また、テラス席はペット同伴OKのため、里山の豊かな自然を眺めながら愛犬と一緒に食事を楽しむ方の姿もありました。

開発工房

少し離れたところにある「開発工房」では、あまり活用されていない地域の農産資源を使った商品の研究・開発を行っています。房内には様々な食品加工機械が揃っており、1回ごとに利用料を払えば誰でも使うことができます。

地元で伝統の農産物を育てているけれど、活用しきれていないという農家さんなどが、新たな商品の研究や試作をしているのだそう。地元の農家さんと、良品計画という企業が持つネットワークが合わさることで、農産品の価値向上や新たな地域の魅力づくりに繋がっています。

地元の農家さんの果物を使ったシロップのシリーズ

地域発で企業を巻き込み、未来へつなげる

「地域を守る」ということを考えた時、一見すると大手企業との相性は悪いと思われるかもしれません。たとえば「地方にグローバル企業の店舗が進出した」とき、地元に昔からあった個人店などがなくなり、地域の個性や伝統がなくなってしまうことはよくあります。

でも、ここ鴨川・みんなみの里での事例は、地域側が先頭に立ち、企業を巻き込んでともに地域を育てているいい事例です。

はじまりは棚田の保全

鴨川には日本の棚田百選に選ばれた「大山千枚田」があります。しかしそんな地域の美しい景観も、高齢化・農業後継者の不足・米価の低迷といった理由から、使われなくなり、維持が難しくなってきました。

そこで、2007年に移住者や地元の農家が中心となってNPO法人うずを立ち上げ、棚田のオーナー制度を通じて保全活動をはじめました。

無印良品・鴨川里山トラスト

それでも維持できない田んぼが増えていく中、うずの代表・林良樹さんが良品計画に共同を提案し、2014年から良品計画くらしの良品研究所と共に「鴨川棚田トラスト」をはじめたのです。

(引用:無印良品

田植えや稲刈り、収穫したお米を食べるイベントなどでは都会から多くの家族が訪れ、地域の中の人と外の人が交流しながら、棚田を守っています。3年目からは「鴨川里山トラスト」に名称を変更して、棚田だけでなく、畑・果樹園、古民家など里山全体を保全するために活動を広げました。

現在は米作りだけでなく、味噌やしょうゆ、自然酒作りなど日本の食文化や手仕事を体験できる多彩なプログラムがあります。

企業が地域に巻き込まれていく

こうした協働での地域保全活動の延長として、2017年4月に良品計画と鴨川市が「地域活性化に関する協定」を締結し、「みんなみの里」リニューアルに向けて動き出したのです。

良品計画の社員が鴨川にサテライトオフィスを設けて働くという動きも出てきたり、様々な形で地域に活気が生まれているようです。企業の大きな力に、小さな地域が飲み込まれてしまうのではなく、小さな地域がリーダーシップをとって大きな企業を巻き込んでいく。

そうした地域と企業の連携の先に、持続可能な地域の未来があるのかもしれません!

 

参考:里のMUJI みんなみの里「開発工房」運用スタートのお知らせ

里山保全活動「鴨川里山トラスト」|無印良品

この記事を書いた人

鈴木 さやか

ライター・コミュニティ運営

東京大学大学院在学中。専門は環境教育/社会教育。渥美半島⇔横浜の2拠点生活でローカル(実践)とアカデミア(理論)を行き来しながら、無理なく持続可能な生き方の選択肢を探求中!

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