サステナブルファーム&パーク『KURKKU FIELDS』
千葉県にある『KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)』をご存じですか?サスタビ読者のみなさんの中には、サステナブルなスポットと言われてまずここを思い浮かべる方もいるかもしれません。
都心から車で約1時間、房総半島の玄関口でもある木更津市にあり、約30haの広大な敷地に「農業」「食」「アート」の3つを軸にした様々なコンテンツが広がる複合施設がサステナブルファーム&パーク『KURKKU FIELDS』です。
広大な敷地内には「FARM」「EAT」「ART」「PLAY」「STAY」「NATURE」「ENERGY」の7つのカテゴリーに分かれたユニークなコンテンツが広がっています。
2019年にオープンしたKURKKU FIELDSは、施設面でもサービス面でも、まだ目指すところに向けて成長途上だということで、サスタビ編集部が訪問した2022年6月時点では入場料は無料(オープン価格)となっていましたが、今後有料になっていく可能性も高いそうです。
サステナブルの多様な楽しみ方
エントランスをくぐると最初に見えるのがベーカリーやダイニングが集まる飲食店のエリア。パーク内で朝一番にオープンするベーカリーには場内で育てた小麦やハーブ、野菜や卵を使ったパンや焼き菓子が並びます。
ここで面白いのはパンを作る職人さんも、畑のスタッフと一緒に原料の小麦を育てていることです。パーク内で自給していない小麦も顔の見える農家さんから買っているもので、畑からパンの工房まで「作る」過程が一つの線でつながっています。
ベーカリーの並びにあるミルクスタンドやダイニングでも、個性とこだわりに溢れた新鮮で安全なな食事やスイーツを買うことができます。レストランでゆっくり食事を楽しむもよし、サンドイッチや軽食を買って自然の中で食べるもよし、それぞれの心地よい過ごし方を選ぶことができます。
ダイニングの裏手にはミミズコンポストが。お店で出た生ごみをミミズや微生物の力で分解し、畑の肥料に変えています。畑→食卓、食卓→畑へと循環します。
子どもも思いっきり遊べる公園でもある
飲食店エリアの奥へ進むと、竹でできた巨大なブランコが!広大な敷地の中では、周りの人を気にせず思いっきり駆け回ることができます。
無機質なビルやアスファルトに囲まれることなく、緑の中で、大地を踏みしめて、のびのび遊べます。
サステナブルな仕掛けが色々
さらに奥のエリアは、ハーブを中心としたエディブルガーデン(食べられる庭)や、野菜の畑やビニールハウス、他には「バグハウス」や「サステナブリッジ」などユニークな取り組みがいくつも見られます。
「サステナブリッジ」を渡って足元をよく見ると、洗剤のボトルやサンダル、ヘアブラシなど見覚えのあるアイテムがたくさん。これらは東京湾に浮かんでいたゴミや工場ででたゴミを使っているのだそうです。ポップな見た目とは裏腹に、私たちが日常的に使っているプラスチックが簡単には分解されず、ゴミとして残り続けることを実感します。
「サステナブリッジ」の下を流れる小川は、場内をぐるっと回って水を循環させる「バイオジオフィルター」です。施設から出た排水を、石や植物や微生物の力で浄化し、再び利用できる仕組みです。化学薬品を使わず、自然の循環の中で水をろ過するシステムなのです。
こちらの木でできた不思議な小さなお家は「バグホテル」で、野菜を育てる上で欠かせないさまざまな虫が住みついてくれるように、彼らの住処になるように沢山の穴が開いています!
普段の暮らしの中ではあまり目にすることができない、ユニークなアイディアや、ポップなデザイン、好奇心をくすぐる仕掛けに「サステナブルって面白い!」と感じさせてくれるサステナビリティの実験場のような空間でした。
トレーラーハウスで宿泊もできる
敷地の奥の方にはトレーラーハウスのキャンプサイトがあり宿泊もできます。
民族家屋の様なBBQ場があったり、その日に絞った水牛のミルクでモッツァレラなどを作るチーズ工房(カゼイフィーチョ)や、猪や鹿などジビエと自然派ワインを扱うシャルキュトリーがあったりと、大人な夜を満喫することも。
サステナブルな未来にワクワクする
見たことのないアイディアに驚いたり、アートの力にワクワクしたり、美味しいものを食べて楽しく過ごしているうちに、自分たちの普段の暮らしでは感じにくくなってしまっている自然の循環や「命のてざわり感」を取り戻しているような不思議な感覚。
これからの時代に、私たち一人一人が考えなければいけない「サステナビリティ(持続可能性)」について、前向きに考えるきっかけを与えてくれる場所でした!
まだまだ進化を続けるサステナブルファーム&パーク『KURKKU FIELDS』が、どんな風に育っていくのか注目です!
この記事へのコメントはありません。