サスタビでは、持続可能な旅の在り方を探るべく事業者やさまざまなフィールドで活動する方にお話しを伺っていきます。今回インタビューさせて頂いたのは、フリーランスのビデオグラファーとして活躍する岡崎友理恵さん。自身のスキルを生かしながら試行錯誤したオーストラリア・ゴールドコーストでのワーホリ体験から見えてきた、新しい旅のスタイルや旅の本質とは?
ワーホリを通じ自身の映像制作のスキルを使い海外でチャレンジしたかった
岡崎友理恵さんプロフィール
東京生まれ、千葉育ち。 日本大学芸術学部映画学科卒業後、広告制作会社でプロダクションマネージャーとしてCMやWebムービー、MVの制作に2年間従事。その後、フリーランスのビデオグラファーとして国内外で活動し、オーストラリア・ゴールドコーストでは1年間映像制作に携わる。 現在は東京を拠点に、バイリンガルチームでの撮影助手や撮影機材レンタルハウススタッフなど、幅広く映像業界で活動。
学生時代より映像技術を学び、卒業後は制作会社を経てフリーランスとして活動する岡崎さん。以前より自身の映像制作のスキルを使って海外でチャレンジしたいと考えており、そのための手段としてワーホリを利用したと言います。
―岡崎さんはどのような経緯でワーホリに行くことを決めたのでしょうか?また現地ではどのようなお仕事をされたのでしょうか。
岡崎さん:
以前にオーストラリアでワーホリをしている夫婦のYouTubeチャンネルを見つけ、自然豊かで陽気な人が多いこと、英語圏で移民が多い国ということを知り惹かれていました。今回のワーホリ前には一度下見旅をした上で、海外移住を経験するならまずオーストラリアだ!と思いオーストラリアへ行きを決めました。
現地にツテはない状態からスタートしました。まずはフルタイム、パートタイム、カジュアル(業務委託のような契約)のいずれかでビデオグラファーとして働ける機会がないかと売り込みをかけましたが、返信自体もらえない、採用枠がないなど思うようにいかず……。
そのため、フリーランスで案件を取っていく方向にシフトし、Google Mapでクライアントとなる可能性がある現地企業をリストアップし一日50件~100件ほどメールで営業をかけました。
その結果少しづつ案件を獲得することができました。

具体的にはホテルやローカルカフェ、スキンケアブランドなどから映像制作の受注を得ました。中でも印象的だったのはスキンケアブランド「Selkia」との出会いでした。ブランドが主催するビーチクリーンアップへ参加したことをきっかけにご縁が繋がり、原料を地産地消していることや環境に配慮したパッケージを採用しているなどの取り組みを知りました。
仕事において、相手に対し共感するポイントがあるかどうかを重視する私にとって、地球環境を考え運営する姿勢はとても魅力的に映りました。
生活の中に根付くサステナビリティ

岡崎さん:
私が現地で見つけた、生活の中に根付くサステナビリティを紹介します。
1 マイボトルの普及率の高さ
現地の人々の多くはマイボトルを持ち歩いていた。ペットボトルを持っているのはほとんど観光客。
2 犬のための給水スポット
公園やビーチ沿いの道など、犬の散歩ルートとなる場所に人間用の水道の下に受け皿が設置されたタイプの給水スポットがある。犬のうんちを回収する袋が備え付けられている場合も。
3 ソーラーパネルが一般家庭に普及している
多くの家庭に設置されているのを見かけた。ウクライナ侵攻後、自国でエネルギー自給率を高めようとする動きがあるそう。
4 ゴミの分別
ゴールドコーストでは赤は一般ゴミ(リサイクルできない)、黄はリサイクル(リサイクルマークが付いてるもの)、緑は庭や植物から出る自然のゴミの3種類であった。
5 バリアフリービーチ
岡崎さんのお気に入りスポットでもあるバーリービーチには、車いすも通れるようなビニールシートが設置されていた。
人気スポット以外の場所にも足を運ぶことで、一か所に人が集まりすぎることを防げます。人が密集すると、渋滞が生まれて環境に悪影響を及ぼしたり、ゴミが増えて環境が汚染されたりと、地元の方の迷惑になったりしてしまうことも。...
女性の社会活躍について
―世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数において、2025年の順位は148カ国中13位とオーストラリアは上位国ですね。日々の生活の中でも女性活躍が感じられる場面がいくつもあったそうですが、具体的にどのようなシーンで感じたのでしょうか。
岡崎さん:
先に触れたスキンケアブランドのオーナーも女性であったなどビジネスをする女性が多くいました。普段利用していたバスの運転手にも女性が多いなど、職業におけるジェンダー平等も進んでいる印象でした。また、現地のフィルムフェスティバルへボランティア参加をした際、特段女性にフォーカスした内容ではなかったにも関わらず、スタッフが全員女性だったことも驚きでした。
ゴールドコーストの観光業について

―人口約73万2千人と、オーストラリア国内で6番目に人口が多いゴールドコーストは、晴れの日が多いことが特徴の都市。水上アクティビティが盛んな人口運河や5つのテーマパーク、世界遺産に登録された森林帯もあるようです。近年世界的に問題となっているオーバーツーリズムについて何か現地で見聞きされましたか?
岡崎さん:
私が暮らしていたのは、Broadbeach Watersと言うゴールドコーストの中でも観光地エリアからは離れた住宅地で、現地の方の住居の一部を間借りする形のシェアハウスに滞在していました。また、オーバーツーリズムについては生活する中では特に感じることはありませんでした。あまり観光地に足を運ばなかったことから気が付かなかったのかもしれません。
オーストラリアやゴールドコーストのサステナブルツーリズムへの取り組み

岡崎さんのお気に入りの商業施設 “CornerstoneStores ” の中にあるカフェ ” STABLE “
ゴールドコースト市の資料によると、オーバーツーリズムについては以下のように記述がありました。「特にコロナ前に問題となった。オーバーツーリズムの対策としては、富裕層をターゲットとした観光戦略を行っている。付加価値の高い体験型のアクティビティーの開発や高級ホテルの誘致などで、富裕層の呼び込みを図っている」。
(引用元:https://www.pref.kanagawa.jp/documents/108166/houkokusho03.pdf)
高級リゾート化を行うことで、観光資源を守る取り組みが進められているようです。
また、オーストラリア観光局のHPには「オーストラリアでサステナブルな観光を楽しむポイント8項目」と題しエコ認証を受けた体験を選ぶ、参加費の一部が野生動物保護につながるツアーを選ぶことなどが紹介されています。
「言語より大切」と感じた旅の本質とは

―岡崎さんが1年間のワーホリを経て得た気づきや学び、またどのような心情の変化がありましたか?
岡崎さん:
6、7年前は女性として映像業界で働くこと自体に大きな壁を感じていました。しかし、世界に出てみるとスタンダードは大きく異なっており、女性も現場で多く活躍しています。実際自分の眼で確かめたからこそ、心理的なハードルを越えることができたと思います。
また、特に英語でコミュニケーション取れるようになったことは自分の中で大きな変化の一つです。
語学力も完璧ではない状態でワーホリをスタートしましたが、英語はコミュニケーションツールのあくまでひとつに過ぎないと思いました。まずは完璧に伝えることより写真・単語・身振り手振りなどを用いてメッセージを伝えたいと言う意思や人間性が人と人との関係性において大切なのだと実感しました。
そして、現地で多くの人と関わった経験を得たからこそ帰国後もオーストラリア関連のニュースを目にしたときにも「自分ごと化」していることに気が付き、これこそが旅の真髄かもしれないと感じました。
オーストラリアで日本人の勤勉さや熱心さ、食文化が高く評価されているなど、日本での当たり前が世界の当たり前ではないように、自分の中にある価値観をアップデートできましたし物事や社会をより俯瞰して見れるようになりました。
編集後記
インタビュー当日は、記事に載せきれないほど多くのエピソードをお話しくださった岡崎さん。ワーホリから帰国し、今後は海外も視野に入れたよりグローバルな映像制作の現場に関わってきたいそうです。1年間の経験を通し、世界に挑戦することへの心理的ハードルを越えることができたと言う岡崎さんが語る「不安や恐れがあっても、まずは行動を起こして、動きながらブラッシュアップしていく」姿勢は多くの人の後押しになるのではないでしょうか。
岡崎さんの公式サイトはこちらから!
フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通し世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。




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