脱炭素社会に合う、新しい木造建築への挑戦
木造の中高層建築物は以前、耐火性の点で建築が難しかったのですが、2019年の建築基準法の改正で湾和され韓地区が可能になりました。以降、様々な木造ビルが建ち始めています。
長崎県の離島、「壱岐島」。人口約2万5千人に満たない、小さな島に日本初、無垢(むく)材で建てた木造4階建てビルがあります。木造4階建て、「モクヨンビル」です。
一般的に建築で用いられる「集成材」は木材の節や割れなどを取り除き、よいところだけを集めて成型したものです。強度が高く、耐久性にも優れています。対して、無垢材は丸太から切り出したままの木材のことを言います。木が持つ本来の香りや木目を生かすことができます。
「モクヨンビル」を手がけた有限会社睦設計コンサルタントの一級建築士・松本隆之さんは「脱炭素社会にあった、新しい木造建築物に取り組みたいとおもい、挑戦した」と話しました。
農林水産大臣賞と木質開拓賞をダブル受賞
「モクヨンビル」は2024年に行われた、日本木材青壮年団体連合会主催の第27回木材活用コンクールで農林水産大臣賞と木質開拓賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げました。木材コンクールでは「木材の良さを生かした新しい活用」という点が評価のポイントとなります。全国から157件の作品の応募の中から、モクヨンビルは最優秀賞の「農林水産大臣賞」を受賞しました。また賞の中で唯一、全国会員の投票によって選ばれる「木質開拓賞」も受賞しました。特に「モクヨンビル」が評価を受けたのは、全てが無垢材で構成されている点です階ごとに異なる用途が4層吹き抜けを介して一体。そして柱や梁を露出させる「あらわし」構造や、田の字プランを中央に吹き抜けを持つようにして放射状に拡大した4空間の構成です。
モクヨンビルで感じてほしい「木本来の良さ」
モクヨンビルは、カフェ、宿泊施設、コワーキングスペース、 レンタル個室の階ごとに異なる用途が4層吹き抜けを介して一体となった複合施設となっています。入った瞬間に感じるのは木の香りです。1階はカフェスペースなので、木の香りに包まれてゆっくりとコーヒーや軽食を楽しむことができます。また目に入ってくるのは木目が特徴的な柱や壁。自然が作り出した無垢材に囲まれリラックスした時間が流れます。
木の空間を一日中楽しみたい方は、宿泊も可能です。
モクヨンD・Dカフェ:https://www.instagram.com/mokuyonn_dd_cafe/?hl=ja
モクヨンステイ:https://www.instagram.com/mokuyonn_stay/?hl=ja
壱岐島をまるっと楽しめる「梅坂ふろしき」エリア
モクヨンビルの周辺は「梅坂ふろしき」とエリアブランド化されており、まるっと壱岐を楽しむことができます。天然の濃厚な湯が楽しめる「湯川温泉」や、壱岐牛が食べられる焼肉店「壱岐牛・和牛 弦(げん)」、郷土料理や壱岐産品を使った食事処「古民家味処 壱州茶屋 with ritomaru」があります。
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