サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

【埼玉】石坂産業・工場見学ツアー|ゼロウェイストデザインで社会と地域に循環を

【埼玉】石坂産業・工場見学ツアー|ゼロウェイストデザインで社会と地域に循環を

石坂産業のゴミから始めるイノベーション

石坂産業

埼玉県三芳町にある、おそらく日本でもっとも有名な産業廃棄物中間処理業者、石坂産業をご存じですか?

一般的には「きつい」「きたない」「危険」の3Kといわれるように、あまり良いイメージを持たれていない廃棄物業者。そのイメージを刷新し「ここで働きたい!」「見学に行きたい!」「うちの地域にあってほしい!」とポジティブな言葉で語られるような存在となった石坂産業。

年間約5.5万人以上が訪れるという工場見学に参加した様子をレポートします!

ゴミをゴミとするか、資源とするか

みなさんは普段、どのくらいゴミを出していますか?毎週の回収日に出すのは、ゴミ袋1つ分?2つ分?

いま家にあるゴミだけでなく、学校や会社で捨てたゴミ、駅や町中のゴミ箱に捨てたゴミも私たちが出したゴミですよね。そして日常生活を送る上で欠かせないさまざまな製品やサービスを提供する過程で発生するゴミも、あまり目にすることはありませんが、私たちが出しているゴミです。

そうした事業活動に伴って生じたゴミのうち、建設現場や工場などから出る20種類のゴミは「産業廃棄物」と呼ばれ、その全国排出量は約392,15万トン。※1

この産業廃棄物のうち8種類を回収し「どんなごみでも資源に変える」という決意をもって、50年以上、再資源化の技術を磨いてきたのが石坂産業なのです。

高い技術だけでなく伝えることも

石坂産業では廃棄物を焼却するのではなく、徹底的に分別分級することで、減量化・再資源化率98%という業界トップクラスの技術を誇っています。

しかし、石坂産業がユニークなのはその高い技術だけではありません。産業廃棄物再資源化と並べて環境教育を事業の柱に置き、私たち消費者にゴミの現状や持続可能な未来のためにできることを伝えているのです。

世界中で起きている環境問題を根本的に解決するためには、リサイクルをするだけではなく、社会の人々の意識を変えていく必要があると考え、全天候型の産業廃棄物再資源化プラントの工場見学を実施しています。

目からウロコの工場見学ツアー

はじめに石坂産業が大事にする「Zero Waste Design」の理念や、石坂産業のこれまでの取り組み、リジェネラティブな社会のために実践していることについて、ビデオを交えて解説してもらいます。

そのあとは実際に敷地内を歩きながら工場見学。エントランスから早速、ゴミを活用したサステナブルなアイディアを発見しました。

ゴミから生まれた新製品

玄関前の庭園にある庭石やレンガブロックも回収した産業廃棄物をリユース、リサイクルしたものです。どんなものも、使えば資源、捨てればゴミになる、という言葉が印象的でした。

地域と環境、サステナビリティへの配慮

私たちの暮らしに欠かせない廃棄物処理施設ですが、騒音や粉塵、大きなトラックが一日に何度も行き来することなどから、近隣住民からはいい顔をされないのが一般的でした。そこで石坂産業では、すべての施設を建屋で覆い、あらゆる視点で地域や環境への配慮を重ねながら「Not In My Backyard(うちの裏にはおかないで)」から「Please Come In My Backyard(ぜひうちの地域にあってほしい)」と言われる施設を目指して、様々な改革を行ってきました。

・お客様と一緒に守るルールの標識

石坂産業のお客様は廃棄物を持ち込んでくる事業者であり、沢山の大型トラックが列を作って自分の番を待っています。地域の方からすると、石坂産業の従業員も、出入りするお客さんもすべて「石坂産業の人」に見えるため、訪れる事業者の方にも地域や安全への配慮を求める「ルール」の順守をお願いしています。

・里山の緑を使ったグリーンカーテン

工場の外側にはぐるっと高性能の防音扉が設置してあります。壁の外と中では聞こえる騒音の大きさがガラッと変わり、リアルな見学ならではの違いが面白かったです。

それでも車の出入りのタイミングでは扉が開閉し、どうしても音が漏れてしまいます。そこでさらに外側にはグリーンカーテンを施した壁を設置し、騒音防止、CO2の吸収、景観の維持の役割を担っています。

特にこだわりを感じたのは、このグリーンカーテンに使われている植物の種類です。施工業者からの提案は園芸品種を中心とした手入れが楽で見栄えの良いものでした。でも、そうした外来種の種が風で隣の里山の森に飛んでしまうと、そこにある生態系が崩れる恐れがあるということで、少し手間はかかりますが、この地域の里山に元からあった植物を持ってきて使用したのだそうです。

・雨水を使ったホコリ落とし

トラックが工場を後にするときには、必ずタイヤを水で洗ってもらいます。それはタイヤについた粉塵が工場周辺の道路に広がらないため。そのための水はすべて雨水を使うことで、節水にも取り組んでいます。

働く人にも寄り添った仕組み

石坂産業では会社の中・働く人への配慮もたくさん。工場の屋根には自然の光を取り込める天窓をつけ、室内にいても明るい環境で仕事ができます。

また重機は上から太い電線がつながれており、工場内で太陽光等で発電した電力で動きます。脱炭素に繋がるのはもちろん、ガソリンで動かすよりも室内の温度が平均で5度下がることで、夏場でも作業がしやすくなっています。

会社の制服にもそんな工夫が!カジュアルなデニム地のユニフォームにはお洒落なロゴのワッペンがつけてあり、参加者の間では「かわいい!私もそんな制服を着たい!」という声が上がっていました。

工場見学の最中にすれ違う従業員のみなさんが、一人残らず笑顔で明るく挨拶をしてくださったのも印象的で、この仕事に情熱と誇りを持っていることが伝わってきました。

何度でも行きたくなる工場見学ツアー

工場の隣には石坂産業が運営する「循環」を体感できる里山であるサステナブルフィールド「三富今昔村」があり、オーガニックランチを食べたり、自然や生き物と触れたり、様々な体験ができます。

工場見学ツアーもテーマ別に複数のコースが用意されているので、今度は別のツアーに参加してみたいと思います!

 

この記事を書いた人

鈴木 さやか

ライター・コミュニティ運営

東京大学大学院在学中。専門は環境教育/社会教育。渥美半島⇔横浜の2拠点生活でローカル(実践)とアカデミア(理論)を行き来しながら、無理なく持続可能な生き方の選択肢を探求中!

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