旅先で土地に根付く「技術」を感じる。今治タオルの歴史と技術に触れる旅

サステナブルな旅の方法には、さまざまな種類があります。地産地消の食事をしたり、現地の方と交流したり、マイボトルやマイカトラリーを持参したり……。そんな中で、今回経験したのは「旅先の土地に根付いている、技術に注目する」という旅。愛媛県今治市にて、今治タオルについてじっくり知る旅をお届けします。

技術力と環境に恵まれた今治

今治は、タオル製造が根付く街です。その歴史は1894年までさかのぼります。当時、阿部平助氏という人物が大阪で質の良いタオルを知り、タオルの製織を開始。

1924年には高級なイメージのあるジャガード紋タオルが作られるようになり、だんだんと「今治=高品質のタオル」というイメージが広がっていきました。現在は、糸を染める工場やタオルを織る工場などおよそ200の工場が集まっています。

今治がタオル産地になった背景には、やわらかな水が関係しています。蒼社川の伏流水や霊峰石鎚山より流れ出た地下水は、重金属が少ない点が特徴です。これによって染めに適した水となっており、繊維にやさしいタオルを作ることができます。

もともと綿業の産地として技術力が高かったこと、豊富な水資源に恵まれていたことにより、今治タオルは興隆しました。

厳しい認定基準をクリアして認められるブランド

今治タオルとして認められるためには、独自の品質検査をクリアしなくてはなりません。項目はいくつかありますが、中でもユニークなのが「5秒ルール」です。タオル片を水に浮かべ、5秒以内に沈み始めるかをチェックします。6秒以上の時間がかかるものは「吸水性が不十分」と見なされるのです。

そのほか、洗濯をしても色あせないか、一定程度の摩擦に耐えられるかなどいくつもの基準が設けられています。そのすべてをクリアして初めて、今治タオルとして認定される仕組みです。

現在、今治タオルはジャパンクオリティが保証される製品として国際的に注目を浴びています。海外の展示会に出展し、そのファンを世界中に広げているのです。ちなみに、今治タオルにはブランドロゴのタグをに4ケタの番号がついています。これは今治の製造メーカーごとに付番されている企業番号で、いち早くトレーサビリティに対応していた歴史があります。

タオルソムリエに相談できる今治タオル本店

今治タオルについて知るため、今治タオル本店を訪れました。タオルソムリエが、顧客の求めるタオルを選ぶためにサポートしてくれます。

タオルソムリエとは
お客様が、本当に必要としているタオルを理解し、選ぶことのできる専門アドバイザー
お客様が「手に入れたい・手にしたい」タオルを選び勧めてくれるアドバイザーの育成をめざします。
「タオルソムリエ資格試験」は、世界初の試みとして、2007年9月からスタートしました。これまでに、全国で4,000名以上のタオルソムリエが誕生しています。「生活の中で、タオル選びをもっと楽しんでもらい、豊かな生活シーンの実現に貢献する」それがタオルソムリエの役割です。
消費者にとっては、価値ある情報をもとに目的・用途に合ったタオル選びが可能となります。生産者にとっては、消費者のニーズをもとにした商品開発を実現します。売り場では、消費者視点の生活提案や売り場づくりが可能になります。
引用:今治タオル工業組合「タオルソムリエとは」

店内にはさまざまなタオルが並んでいます。色や硬さ、サイズなど、バラエティ豊かです。タオルだけでなく、タオル地のブランケットやバスローブなどもあり、見ているだけで楽しく過ごせます。

何種類ものタオルが、壁一面に並んでいます。右から柔らかい順に並んでおり、自分好みの触り心地のものを選びやすくなっています。それぞれ、バスタオルやフェイスタオルなど複数サイズ展開されじっくり吟味できます。

今治タオルについて学べるLAB

今治タオル本店には、imabari towl LABが併設されています。こちらは今治タオルの作り方を学んだり、品質チェックの体験ができたりする施設です。

このビーカーは、5秒ルールのチェックを体験するためのものです。基準をクリアしたタオル片と、基準に至らないタオル片があり、それぞれをビーカーの上に落とします。基準をクリアしたものはすぐに沈み始める一方、基準未満のタオルはいつまでも水面に浮いている様子が見られ、品質の高さを実感できる体験でした。

こちらはヒゴ織機です。日本で初めて作られたタオル織機が復元され、展示されています。スタッフの方のアドバイスを受けながら、実際に使ってみることもできるそうです。

今治の文化を学ぶサスタビを

今治は、しまなみ海道を自転車で走ったり、名物の今治焼鳥を食べたり、観光を楽しめる街です。しかし、せっかくなら土地の歴史と文化を感じる、サステナブルな旅をしたいもの。そんな方はぜひ、今治タオルを現地で購入したり、歴史や作り方を学んだりしてみませんか。きっと、観光地を巡るだけの旅よりも、もっと今治のことを理解できるはずです。

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