サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

【長野】ゲストハウス犀の角で「開かれた非日常」に泊まる

【長野】ゲストハウス犀の角で「開かれた非日常」に泊まる

信州上田・犀の角(さいのつの)

先日、長野県上田市にある「サステナブルスポット巡る旅」に行った際に滞在させていただいたゲストハウス『犀の角(さいのつの)』について、今日はご紹介します。

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『犀の角(さいのつの)』とは?

ゲストハウス犀の角

先ほどからゲストハウスと紹介していますが、『犀の角(さいのつの)』は旅人のためだけのゲストハウスではありません。

こちらは、劇場設備を備えた〈シアター〉と簡易宿泊施設の〈ゲストハウス〉、そしてカフェ&バーやレンタルスペースなど複数の顔を持つ民間文化施設です。上田市の中心地・海野町商店街の一角に2016年にオープンしました。

上田駅から町のシンボル・上田城へ向かう通り道である海野町商店街は、昔懐かしい個人店が数多く残り、この土地の人々の暮らしを感じられるメインストリートです。

そんな個性溢れるお店の並びにある、一見すると何をやっているのかわからないような風貌の場所が『犀の角』。

私が到着した午後13時は、「CLOSED」の看板が出ているにも関わらず、大きく開かれたドアからは何人もの人が出入りしており、なんだか活気がありました。程よいカオス感にワクワクしながら、おずおずと中へ一歩入ると「こんにちはー!」とあちこちからいろんな人があいさつをしてくれます。

「こ、こんにちは!」と返事を返しつつ見渡すと、朗読劇をしている人、本を読んでいる人、打ち合わせをしている人、何やら工作をしている人、コーヒーを淹れている人…。いったい誰が『犀の角』の方なのかわからずにいたところに、奥からゲストハウスのスタッフの方が出てきてくれました。

〈シアター〉としての犀の角

通りに面した建物が本館で、主に劇場・イベントスペース・カフェ&バー・ロビーという機能を持っています。

以前は銀行だったこの建物は天井が高く、舞台照明が沢山ぶら下がっていたり、一段高いステージやピアノがあったりと、少しどぎまぎしてしまいそうな独特な空間。でも老若男女問わずいろんな人がそれぞれ作業をしている場の雰囲気は柔らかく、敷居の高さを感じさせません。

ここでは演劇公演や音楽ライブ、トークイベント等さまざまな形式のイベントを、上田市の内外の人がプロ/アマを問わず行っています。2階、3階は劇団の稽古場やダンスの練習などに使えるレンタルスペースです。

特に公演などがないときは、1回のシアタースペースはカフェ&バーとして開かれており、朝は7:30からモーニングが、夜は22:00までお酒が楽しめるため、出発前の観光客や仕事終わりの地元の人など、様々な人が利用できます。

〈ゲストハウス〉としての犀の角

シアタースペースの奥のエリアは宿泊客専用の共有スペースとキッチンがあります。

宿泊棟は本館のすぐ裏にあるコンクリートビルをリノベーションした別館で、個室3部屋とドミトリー2部屋からなります。

「中心商店街に、アーティストやバックパッカーによって多様な価値観や身体が持ち込まれる。地域を活性化していくには、流行を追いかけ、モノを消費するばかりではなく、優れた芸術作品や価値観の異なる他者、あるいは自分の外側にあるものと出会うことが必要だと考えます。」というのはオーナー・荒井さんの言葉。

演劇や音楽などアートを通じて、地域住民とよそ者が交流し、新しい価値に触れられる、まさに“開かれた非日常空間”がありました。

目の前にいない「誰か」のことも思い遣る

(引用:のきしたHP

『犀の角』の取り組みはそれだけではありません。たとえば、コロナ禍で新たに始めたのがコロナ禍で様々な事情から居場所を必要とする女性(母子・学生も可)が雨風をしのげる宿として一泊500円で泊まれる仕組み『やどかりハウス』。「息抜きできる場所が欲しい」「安心してぐっすり眠りたい」「昼間一人になりたい」など、幅広い理由で使うことができます。

また、地元の学生が企画した戦争と平和について考える映画上映会と募金活動をサポートしていたり、お隣の青木村で子どもたちが育てた野菜を販売し、売り上げの一部をウクライナ支援のために使ったりと、環境問題・社会課題に関連したイベントの開催も行っています。

犀の角のようにただ独り歩め

最後に『犀の角』の名前の由来を紹介します。(公式パンフレットより)

“犀の角のようにただ独り歩め - walk alone like a rhinoceros.”
(『ブッダのことば-スッタニパータ』第1蛇の章より)

鎧のように硬い皮膚で身を包み角を立て生きる犀の姿に、目まぐるしい日常を個々の自我や感性と共に一生懸命生きる現代人を重ね合わせ、多種多様な人々がそれぞれの完成を持ち寄り、集い交流する文化拠点として「犀の角」(さいのつの)と名付けました。

様々な人が自分らしく、そして助け合いながら共に生きる社会をつくるためのヒントをもらえる、そんな旅でした。

上田市を訪れる際は、ぜひ犀の角に泊まったり、アートに触れたりしながら、「自分の外側にあるもの」に触れてみてください。

これまで自分が生きてきた世界、当たり前だと思っていたものを一旦疑い、立ち止まって考えてみる。そんな大事なきっかけをくれるのも旅のだいご味だと感じています。

この記事を書いた人

鈴木 さやか

ライター・コミュニティ運営

東京大学大学院在学中。専門は環境教育/社会教育。渥美半島⇔横浜の2拠点生活でローカル(実践)とアカデミア(理論)を行き来しながら、無理なく持続可能な生き方の選択肢を探求中!

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