サステナブルツーリズムの略である「サスタビ」。
あまり馴染みがない方も多いかと思いますが、日本がサステナブルツーリズム先進国であることをご存知でしょうか。
日本がなぜサステナブルツーリズムの先進国といえるのか、2021年10月に発表された「持続可能な観光地トップ100」を踏まえながら紹介していきます。
2021年発表「持続可能な観光地トップ100」に最多選出
毎年100の都市や観光地が選出される「持続可能な観光地トップ100」。2021年は10月に発表があり、日本は世界で最も多くの都市や観光地が選出されました。
選ばれたのは下記の12地域です。
・奄美大島(鹿児島県)
・阿蘇(熊本県)
・釜石市(岩手県)
・京都市(京都府)
・長良川流域(岐阜県)
・七尾市および中能登町(石川県)
・那須塩原市(栃木県)
・ニセコ町(北海道)
・佐渡市(新潟県)
・小豆島町(香川県)
・豊岡市(兵庫県)
・与論島(鹿児島県)
このうち釜石市、京都市、ニセコ町は2020年から2年連続で選出されており、継続してサステナブルツーリズムの実践に取り組んでいることが分かります。
今回選出された12という都市数は、2020年に選出された6都市の2倍にも上る数字で、1年で大きく選出数を伸ばしました。
グリーン・デスティネーションズが選出する「持続可能な観光地トップ100」とは
世界最多である12の地域が選ばれた「持続可能な観光地トップ100」。この選出と発表を行うのは、オランダにある非営利団体「グリーン・デスティネーションズ(Green Destinations) 」です。
グリーン・デスティネーションズはGSTCが開発した「持続可能な観光の国際指標」の国際認証団体であるとともに、「持続可能な観光地トップ100」の発表を通して、サステナブルツーリズムの推進を行っています。
「持続可能な観光地トップ100」に選ばれることで、グリーン・デスティネーションズが定めるロゴマークを利用したり、専用のホームページを活用したりしてアピールできます。これらのPRを通して、サステナブルツーリズムに注目する観光客はもちろん、世界からの観光客誘致につながることがメリットです。
「持続可能な観光地トップ100」に選ばれるため必要なこと
「持続可能な観光地トップ100」に選出されるためには、観光に関する100もの国際基準の中で最も重要とされている15項目の指標をクリアしていることが条件になっています。
また、選出される際の重要な判断基準となるのが「グッド・プラクティス・ストーリー」です。「グッド・プラクティス・ストーリー」とは、具体的にサステナブルツーリズムを実現するために、どのような取り組みを実施しているのかについてまとめたもので、具体的な実績がなければ選出されないこともポイントといえます。
世界でも多くの地域でサステナブルツーリズムが推進されている中、日本の多くの地域が世界基準で認められていることは意外だと思う方も少なくないのではないでしょうか。
「持続可能な観光地トップ100」はあくまでもひとつの指標ではありますが、実際にサステナブルツーリズムの実現に向け、あらゆる取り組みを実践している地域が日本に多くあるということは、今後、国内外から多くの観光客の誘致を目指している観光地にとっても大きな励みとなります。
ぜひこれらの地域がどのような取り組みをしているのかについて調べてみるのもおもしろいかもしれません。
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