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サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

「個性のあるコミュニティや想いのあるコミュニティを増やしたい」――『Share Village』丑田さんインタビュー

「個性のあるコミュニティや想いのあるコミュニティを増やしたい」――『Share Village』丑田さんインタビュー

サスタビでは、変わっていく旅の在り方を紹介するため、ユニークな旅のサービスの運営者にお話をうかがっていきます。今回インタビューさせていただいたのは、コミュニティ・プラットフォーム『Share Village』を運営するシェアビレッジ株式会社代表取締役の丑田俊輔さん。サービスの概要や立ち上げのきっかけ、今後の展望を伺いました。

 

“村”をモチーフにした共創型コミュニティの立ち上げプラットフォーム

―『Share Village』はどんなサービスですか?

丑田さん:共創型コミュニティをつくれるサービスです。共創型というのは、コミュニティのメンバーみんなが労力や知恵を持ち寄って育むようなイメージで、村のような世界観をモチーフにしています。

機能としてユニークな点を挙げると、月額制のコミュニティを自由に立ち上げることができ、集めたお金を可視化できます。その中で「コミュニティコイン」というコミュニティ内通貨を発行できて、村のために何かをしてくれたメンバーにお礼の気持ちを贈り合えます。

―どういった経緯でこのサービスを立ち上げられたのですか?

丑田さん:実は僕自身が古民家コミュニティを運営していたんです。僕は東京出身ですが、2014年から縁あって秋田県の五城目町という町に住みはじめて、そこで茅葺古民家に出会って一目惚れしてしまって。当時のオーナーさんが解体を検討されていて、なんとか残す方法がないかなと思って、仲間たちに声をかけて「村」を立ち上げたんです。そのコミュニティの名前が『シェアビレッジ』で、今のプラットフォームの前身になっています。

 

―どんなコミュニティですか?

丑田さん:一言でいうと、古民家をコモンズ(共有資源)とした新たな共同体です。コモンズは日本で言う入会地のことで、誰かの個人資産じゃなく、村の住民みんなが共同管理・共同所有する水源や里山などを指します。これにならって、みんなで手間や費用を負担しあって、古民家を守り立て、みんなでいっしょに使っていこうという趣旨で運営していました。

保全するという考え方だけだとあまり持続的に関わるエネルギーを生みづらいと感じ、どうやって楽しむかを重視して設計していたんです。会費を「年貢(NENGU)」と呼んでみたり、Skypeを使って「寄合(YORIAI)」という名前でオンライン飲み会をしたり、実際に古民家に泊れる「里帰(SATOGAERI)」って制度を整えたり、1年に1度のお祭りイベント「一揆(IKKI)」を開催したり、村の困りごとをコミュニティメンバーが助けに行く「助太刀(SUKEDACHI)」を行ったり……。そんな風にして5年くらい運営して、メンバーが2,500人くらいになりました。

 

―すごい人数ですね。地方のコミュニティとしては大成功じゃないでしょうか? そこからなぜプラットフォーム運営に?

丑田さん:元々は100万人の村を目指すなんて言っていたのでまだまだです。ただ、まだまだの人数でもすでにコミュニティ感が薄れてしまう感覚があったし、どうしたら消費者的になりすぎない村づくりができるかを試行錯誤する日々でした。コミュニティのあり方を考えているときにコロナ禍があって、都市と地方の移動も止まった時、拡大方針を一回手放してみようと思ったんです。自分たちが一つの大きな村を運営するんじゃなく、だれでも簡単に村をつくれるようにしよう。小さな村がたくさんあって、その村々がゆるやかにつながれるような世界を目指そう。そんな考え方で、コミュニティプラットフォーム『Share Village』を立ち上げました。

コミュニティの肝は、“機能”じゃない

―『Share Village』上でつくられる“村”は、どんなテーマが多いですか?

丑田さん:古民家や里山など地域を舞台にしたコミュニティが多いですね。キッチンに集まる食のコミュニティや、都会の共同住宅コミュニティもあります。現状はフィジカルな場があるコミュニティが多いですが、オンラインを中心としたコミュニティも生まれはじめています。子どもたちを見ていると、フォートナイト(編集部注:世界中で大人気のオンラインゲーム)の中のコミュニティで友達をつくっているし。リアルかバーチャルかという二項対立にはしたくないと考えています。

―オンラインサロンの流行で、コミュニティをつくれるサービスも増えています。そんななか、『Share Village』を選んだ方はどこに魅力を感じてくれていると思いますか?

丑田さん:機能面では、コミュニティコインをメンバー間でプレゼントしあえることに面白さを感じてくれている気がします。一人のカリスマがいるコミュニティや、運営と参加者がきっぱりと分かれているコミュニティには向いていないかもしれませんが、皆で持ち寄って育む“村”のようなコミュニティづくりをしてみたい人にとっては『Share Village』はちょっと試してみたい存在なのではと考えています。コミュニティコインの仕組みがあることで、すべてのメンバーは自分の意志で、がんばってくれた人に感謝を示せます。お金を払ってリターンを得るという関係性をはみ出て、メンバー同士の贈与の打ち合いが自然と生まれやすくなっているのかなと。

 

―誰もがコインというインセンティブの提供者になれる、つまり、村にとって良いアクションは何かを意志表示できるわけですね。ある意味で、共同体のルールそのものに関与できると言って良いかもしれません。

丑田さん:はい。あとは機能ではなく、ほかのコミュニティとつながったり、学び合ったりすることに関心を持って使ってくれている部分が一番大きいですね。僕達自身も自分の経験を積極的にシェアしていきますし、「姉妹村」という制度で村同士の横のつながりも後押ししています。

機能はあくまでツールにすぎません。コミュニティを長続きさせるには、生身の人間の経験や知識のほうがずっと大事だと思っています。

 

運営とお客さんではなく、共につくる仲間

―旅の在り方について、変化を感じる部分はありますか?

丑田さん:商業的にパッケージ化されていない体験の価値が高まっているように感じます。人のいる場所に旅する限り、その場所にも地域コミュニティがあり、コミュニティを持続させていくにはお金が必要です。そのお金を得るために、生産者と消費者、もてなす人とお客さんという関係性が役立ってきました。ただ、今は共につくる関係性を求める人が増えているのではと思います。

地方に行くと、その場所にリアルに住んでいる人たちの手だけでは回りきらなくなっているカルチャーがたくさんあります。それこそ、茅葺屋根の葺き替えもそうですし、お祭りもそうですよね。そういうカルチャーに旅人が参加して手助けできたら、リアルな住人も助かるし、旅人も貴重な体験ができて、お互いハッピーになれます。お金とは違う形で地域コミュニティの持続化に貢献する、旅人というよりは一時的な生活者ともいうべき、そういう関わり方がもっと増えていくんじゃないでしょうか。

 

―最後に、今後の目標について教えて下さい。

丑田さん:いろんな場所に個性のあるコミュニティ、想いのあるコミュニティが生まれてほしいので、そのお手伝いがしたいなと思っています。単純に、僕自身がそのコミュニティに遊びに行くのが楽しみですから。

あとは、コモンズ、共につくるという概念を世の中に広めたいです。提供する人と、享受する人がきっぱり分かれるんじゃなく、境目のない状態。『Share Village』のプラットフォームを利用してくれている人も、お客さんというよりは、より良いコミュニティの在り方を探す仲間のような関係だと考えています。

プラットフォーム・コーポラティズムという、日本ではまだあまり浸透していない言葉があるんですが、これはプラットフォームの所有権を、運営者とユーザーが共有して、民主的な意思決定を行おうという考え方です。運営側のビジネス都合で一方的にルールを押し付けるのではなく、関わる人や使う人と共に歩んでいく。いい塩梅で共に育てていくためにどうしたらいいのか、関わる人たちと一緒に楽しみながら運営していきたいですね。

 

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