無理せず楽しみながら、サステナビリティに配慮した旅に出る!【窪咲子:メンバーインタビュー】

サスタビのメンバーに「サステナブルな旅、してる?」「サステナビリティって何だろう?」など、赤裸々に語っていただくメンバーインタビュー。今回は、トラベルライターとして記事の執筆や編集を担当する、窪さんにお話を伺いました!

世界一周の経験を活かし、トラベルライターとして活躍

【画像】窪咲子ハワイ

―今日はよろしくお願いします!窪さんは今トラベルライターとして活躍されていますが、もともとどういったキャリアを築いてこられたんですか?
私は中学生のころからアイドル雑誌の編集者に憧れており、その夢を叶えて、5年間アイドル雑誌の編集の仕事をしていました。そこからフリーになって、1年8か月かけて世界一周しました。その間にトラベルライターとして仕事をしたり、ブログを書いていたんです。このときに得た情報や世界中のイケメンのストリートスナップをまとめ、『「世界イケメンハンター」 窪咲子のGIRL’S TRAVEL』『恋する世界一周』として書籍を2冊出版しました。

帰国後もライティングや編集をしていて、プライベートでは2018年に息子を出産。今はサスタビを含め複数の媒体でお仕事をさせていただいています。

―公私ともに順調で羨ましいです!世界一周をしてトラベルライターとしてご活躍だと思うのですが、具体的にどういうことを書かれているのですか?
ガイドブックの執筆や、観光局のWebサイトのライティングなどをしています。政府観光局のパンフレットを作成したり、旅行会社の方向けに、あまり情報がない国を訪れるときの注意点や守るべきマナーをマニュアルとして作成することもあるんですよ。

―旅行会社の方に旅の方法を指南するなんて、まさにプロのトラベラーという感じですね!
いえいえ、ただ私は世界一周の際、一度も大きなトラブルに遭わなかったんです。それは、お酒を飲まなかったり、早朝深夜に出歩かないこと、荷物管理など、きちんと対策していたからだと思います。

一度、スペインで偽物の警察官にパスポートを見せろと話しかけられたのですが、事前にそういった手口の詐欺が流行っていると知っていたので、「一緒に交番に行こう、そうしたらパスポートを見せる」と伝えたら、去っていきました。事前に知っておくということはとても大事ですね。

【画像】窪咲子

ーすごい!ちなみに怪しい人はどうやって見分けるんですか?
カンです。笑 過信するのは良くないですが、たくさんの出会いがあると、なんとなくわかるようになるんですよ。世界一周中、タイのバンコクからネパールのカトマンズに向かう飛行機で隣り合った6歳の女の子と仲良くなり、カトマンズにあるそのご家族の家に泊まりに行ったこともあります。

きちんと自衛して、多くの人とコミュニケーションをとっていたら、思い描いていた以上に濃い楽しい旅になりました。それに、旅のことを振り返って思い出すのは訪れた場所よりも、こうやって出会った人たちのことです。

―窪さんは旅を通じていろんな経験をされていますが、何か旅のコツなどあるんですか?
現在は、主にInstagramで情報を集めています。日本人の投稿だけでなく、韓国などお洒落なスポットを探すのが上手な海外の方の投稿もチェックすることがポイントです。例えば、韓国・ソウルについて調べる場合は、日本語で検索するだけでなく韓国語でソウル旅行を意味する「#서울여행」と検索をすると、韓国の方の発信や地元の人しか知らないスポットと出会えることがあります。

予約は比較サイトを使っています。過去の値段までチェックすると「このホテルはこのシーズンに安くなるな」ということがわかるので、そこを狙って予約をとることが多いです。

他にも航空会社や旅行会社のSNSやメルマガに登録しておくと、セール情報をキャッチすることができますよ。

―では、あらかじめどこに行くか決めていくことが多いですか?
いえ、やりたいことの優先順位だけ決めておいて、あとは現地で気になったことにチャレンジしています。おすすめは、そこで暮らす人に話を聞くことです。地元の方においしいお店を聞いて、そこで店員さんにおすすめを聞く、これを繰り返していると楽しくおいしいものを食べ続けられます。

また、SNSで「今イタリアにいるので、おすすめの場所を教えてください!」と発信すると、フォロワーの方からたくさん情報をいただけるのでありがたいです。

堅苦しく思わず楽しい気持ちでサステナブルな旅を実践

【画像】ハミルトン島

―旅の経験が豊富な窪さんですが、サスタビにジョインしてから何か変化はありましたか?
はい!世界一周をしていたころは、エコや環境については、あまり意識していませんでした。でも、最近では少しずつ意識をするようになりました。何よりサスタビでサステナブルな旅人の当事者として情報発信をしているので、アンテナを高くしています。

また、実際にいろいろな国に行くと、アメニティを配布しないホテルや、マイボトル推奨のホテルが増えていると感じます。こういう社会だからこそ、堅苦しく考えるのではなく、できることからサステナブルな旅を実践していきたいですね。

―サステナブルというと「真面目」「かたい」「ルール」といったイメージがあるので、楽しくサステナブルな旅ができるといいですよね。
そのために役立つのが、「サスタビ20ヶ条 ~サステナブルな旅人のガイドライン~」ではないでしょうか?例えば「02 人気の場所以外の新しい見どころを発見しよう」に取り組むと、いつも定番観光地を巡っている方でも、ひと味違う旅を経験できますし、新しい発見もあるはず。

私自身何がサステナブルな旅になるのか明確に把握できているわけではなくて、「01 公共の移動手段を活用しよう」についても、「これがサステナブルになるのか!」と驚きでした。車ではなく、バスや電車をなるべく利用しようと思っています。サスタビ20ヶ条は旅を狭めるものではなくて、知ることにより、旅の選択肢を広げてくれるのではないでしょうか?

【画像】フィンランド

―嬉しいです!ちなみに、初心者の方にも簡単に取り組めるサステナブルな旅の実践方法は何かありませんか?
まずは、マイボトルやマイ歯ブラシを持っていくところから始めてみるといいと思います。先日一緒に旅行した友人は、私のマイ歯ブラシを見て「わざわざ持ってきたんだ」とびっくりしていました。でも「使い慣れているものを旅先で使えると便利だよ」と話すと納得してくれ、次の旅ではその子も歯ブラシを持参していたんです。

特に海外ではアメニティを置かない方針のホテルが増えているので、自分のものを持ち歩く習慣はあってもいいのかなと!

―マイ○○の持ち歩きは、誰でも簡単に始められそうです。
一方で、ホテル側から「なぜアメニティをなくしたか」の説明がもっとあってもいいのかなと思います。自分が協力することで、こんないいことがあるんだと思うと、もっと前向きになれますよね!

また、サステナビリティに興味がない方も参加できる仕組みがあるといいと思います。たとえば先日、あるホテルで「クマノミの生態を守る」というアクティビティを見つけました。息子が魚好きなので参加したのですが、みんなで海をきれいにして楽しかったです。これなら、「魚が好き」「海が好き」という切り口で人を集められます。

あとは、どういう気持ちで現地を訪問するかも、大切なポイントです。

―気持ち、ですか?
はい。例えば友人の家に遊びに行くとき、土足では入らないですよね。旅も「そこで暮らしている方の場所やコミュニティにお邪魔する」ことですから、そこでのルールやマナーを知り、失礼のないように振る舞うこともサステナブルな旅です。

サスタビの20ヶ条に「03 事前に旅先の歴史・文化をしらべておこう」という項目があるのも、そういった意味があると思います。

サステナブルとは、自分が感動した自然を子どもや孫の世代に残すこと

【画像】窪咲子

―すごく大きな質問になりますが、「サステナブル」って何なんでしょうか。つきつめて考えれば考えるほど、わからなくなりませんか?
サスタビメンバーの間でも、いつも悩む問いですよね。私の中では、「これまで世界中を旅して見てきた素敵な自然を、息子やその次の世代にも伝えたい」というのが、答えの一つです。そのために、無理のない範囲で環境を守ったり、自分にできることを考えてみたりするとが大切です。地球にいる数億人がこういう考えをすれば、もっと環境が良くなると思います。

実際、私たちは便利さを追求しすぎて、自然や動物を傷つけてしまっていますよね。先日ベトナムに行ったとき、車が多く排気ガスがすごくて、「本当はもっと緑が豊かだったんだろうな」と感じました。

特に旅の文脈では、オーバーツーリズムの問題があったり、自然を切り開いて大型ホテルが建設されたりしています。ただ、だからといって「ホテルに泊まるのはやめよう」というのも現実的ではありません。それに、最近ではサステナビリティに配慮する動きも増えています。

―社会的に「サステナビリティに配慮する」という方向性に向かっていますよね。
私がこの前訪問したタイの宿泊先も、リゾートホテルではありましたが、地元の素材を作って建物が作られ現地の先住民族の文化をイメージしたデザインが施されていました。食事も、現地の食材を使った伝統的なものをいただけました。

泊まりながら土地の歴史や文化を知ることができ、だからこそ「この土地を守るために、自分も何かしよう」という気持ちになりました。

【画像】キーマラ

―まずは、そういう取り組みをしているホテルを選ぶというのも、すぐにできるサステナブルな旅の実践方法ですね。
はい、誰にでもできると思います。現地についてからもGoogleマップで「サステナブル カフェ」などと検索すると、面白そうなスポットが出てきますよ。最近はサスタビの記事も増えてきたので、「このお店、どんな感じなんだろう?」と疑問に思って、レポート記事を読むこともあります。

―最後に、これからどんな旅がしたいかを教えてください。
実は、もう一度世界一周がしたいと思っているんです。来年の4月から息子が小学生になるので、その前に行きたいなと思っています。特に前回は南米での滞在がすごく楽しかったので、再訪したいです。

その中で、どうすればサステナブルな旅にできるかを考え、自分にできるアクションに取り組んでいきたいと思います。

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