旅を通じて「行きたい場所に、行きたい時に行く力」を身につける【岡村龍弥:メンバーインタビュー】

サスタビのメンバーに「サステナブルな旅、してる?」「サステナビリティって何だろう?」など、赤裸々に語っていただくメンバーインタビュー。今回は、「現代版なんでも屋」として旅をしながら働く岡村さんにお話を伺いました!

世界一周のきっかけは、「会社を辞めて暇だったから」

―今日はよろしくお願いいたします!岡村さんはSNSやMTGでの様子を見ていると、いつも日本にいないような気がしているんですが(笑)。もともと旅が好きだったんですか?

オンラインMTGをしていると、「今はどこにいるの?」とよく言われます(笑)。初めて自分の意志で海外に行ったのは、大学4年生のころです。サークルの仲間とペルーを訪れました。そのころからあちこち行くようになり、初めて一人旅に出たのは24歳です。

―これまで数十か国に行ったことがあると思いますが、中でも面白かった旅先はどこですか?

2か国あります。1つ目が、チェコです。最初はスペインに行く際のトランジットで立ち寄っただけだったのですが、そこで完全にはまりました(笑)。他のヨーロッパと比較して建物が可愛いらしくて、「おとぎ話の世界観だな」と感じました。その一方、国民一人当たりのビールの消費量が世界一という事実もあり、かなりギャップがあって面白いですよね。チェコには何度も訪れ、2019年からはチェコ政府観光局の親善アンバサダーとして活動しています。

2つ目は、ジョージアです。日本人の99%が行かないと言われているのですが、知り合いにおすすめされて行ってみたらとても面白い国でした。ビザなしで360日滞在できますし、自分が訪れた当時は物価が安くてご飯がおいしかったです。外国人でも起業がしやすいため、コロナ前はゲストハウスを経営していました。今ではいろんな影響もあり物価があがってしまったようですが、それでも他の国と比較してまだまだ物価が安く自分としては過ごしやすい国です。

―世界一周にも行かれているんですよね?

はい、でも崇高な目的を持っていたわけではなく、暇ができたから行ったというのが正しいです(笑)。もともと大手IT企業とWeb系のベンチャー企業に勤めていたのですが、会社を辞め時間ができたんです。

―暇だから世界一周をするというのもすごいですね!

僕自身はあえて世界一周にこだわらなくてもいいと思っていたんですが、「旅を広める」というこれからのことを考えた時、世界一周をしたことがあるという経歴は、説得力があると思ったんです。ただ、その時点ですでに30か国は訪れていて、例えばピラミッドやアンコールワットなど、定番の観光地はすでに巡っていました。だから世界一周の黄金ルートではなく、自由にあちこちを行き来しました。

まず香港まで出て、マカオ、中国、ロシアと来て西に進もうとしたのですが、友だちとメキシコで待ち合わせすることになったので一気に飛びました。キューバからベリーズの方に進み、アメリカやカナダを巡って、北欧の方に進んだところで、「日本で革命的なサウナを作りたい」という思いを持つ友人と一緒にあちこちのサウナを巡りました。その結果できたのが、長野県にある「The Sauna」というサウナ好きの聖地的な場所です。

彼とはエストニアで別れて、ラトビアやポーランド、ドイツ、モロッコなどに行き、エジプトからアジアに渡って、インドやタイを経由して帰国しました。期間は10か月程です。

―面白そうな経験ですね。費用は結構かかりましたか?

いえ、友達の家に泊めてもらったり、格安のゲストハウスの3段ベッドを利用したり工夫したので、かなり安く抑えられました。また、世界一周は陸路移動ができるので、例えば1000円払ってバスに乗れば隣国に行くことが可能です。また、スケジュールが決まっていないのでLCCが安いチケットをだしているタイミングにあわせて移動できます。

さらに、私が世界一周をしていた2018年ごろは、世界一周ブログを書いている人が今よりもいました。全盛期は過ぎていましたが、それでもランキングを上げようと有益な情報を書いている人が多く、安く移動する手段や現地の情報など生の情報が多く役立ちました。

―最近はSNSで発信する人が多いですが、当時はブログ文化があったんですね。ご友人の家に泊まるということですが、あちこちにいらしたんですか?

海外に移住した友人や、結婚と同時に外国に住み始めた友人などがいました。だからFacebookで「世界一周します!」と投稿すると、「うちにおいで」と言ってもらえて。友達がいるところを繋いだりしてルートを決めていました。泊めてもらう代わりに、子どもの面倒をみたり、カメラマンとして家族写真を撮ったりしました。

旅に出ることで人生の選択肢が増え、ものを考えて決断する力が身につく

―世界一周を含め、岡村さんはたくさんの旅の経験から何を得ましたか?

旅を通じて、人生の選択肢が増えました。それまでは自分の身の回りで見たことや体験したことしか知らず、選択肢は限られていました。しかしもっと色んな世界があり、様々な生き方があることがわかったことは、非常に大きいです。

日本で会社員として働いていると「この会社にいるしかない」「他に居場所はない」と思い込むことも多いですが、世界に出れば全くそんなことはないことに気が付きます。だから周りの人にも、本当に嫌になったら会社を辞めて旅に出たらと言っています。

―狭い世界しか知らないと、そこがすべてになりますもんね。

そうなんです。旅に出るとそれだけで知る世界が広がり、発想が柔軟になります。また、自分でものを考えて決断する瞬間が増えますね。日本で生きていると、そんなに頻繁にトラブルは起こりません。でも、旅にトラブルはつきものです。何かあるたびに、自分でどうするかを考えて決断しなくてはなりません。

これを繰り返すと、気持に余裕が生まれます。私は旅を始める前は怒りっぽいところがあったのですが、旅を始めてから人に怒ることが少なくなりました。小さいことは気にせず、人に優しく出来るようになったと思います。

―怒りっぽいなんて今の岡村さんからは想像できませんね!ちなみに、自分で考えて決断するというのは、具体的にどういうことが挙げられますか?

本当に小さいものもありますよ。例えば、旅先の国の衛生環境が悪ければ、歯を磨く水に水道水を使うのか、ミネラルウォーターを買うのかを考え選択する旅の仲間もいました必。日本ではそんなこと、わざわざ考えるなんてありえないですよね。

この思考と決断を繰り返すことで、どこでも生きられる力が身につきますし、日本はなんて恵まれているんだろうということに気づきます。学生時代にインドに行った時、街や人々を見て死というものが身近にあると気づきました。そもそもトイレにドアがついていてペーパーが流せるだけでありがたいと思うようになりました。

―「日本は恵まれている」と頭ではわかっていても、旅に出なくては実感することは難しいですね。 

はい、人に騙されるなんてことも、そうないですしね。ただ、海外で誰かに騙されても、結局「この人を信じる」と決めたのは自分だから、最後は自己責任なんですよ。最初は何度か失敗するかもしれませんが、自分で考えて行動して失敗したら、その分学びもあってその後の人生に活かせるものです。

行きたい時に、行きたい場所に行ける力を培う

―ここからはご自身についてお聞きしたいのですが、岡村さんはいつも色々なことをやっているので、サスタビメンバーからしても「何者……?」感があるんです(笑)。ざっくり何屋さんになるんですか?

私は5年前から合同会社ギルドを経営しているんですが、このギルドのコンセプトがまさに「現代版のなんでも屋」なんですよ。業務内容は多岐にわたりますが、どれも「旅を広める、どこでも働ける人を増やす」というコンセプトが共通しています。

働く場所にとらわれないことを軸に、幅広いご依頼に対応しています。最近では旅行業界からの案件が多いですが、WebメディアやSNS運用、カメラマンとしての仕事もしています。

ーまさになんでも屋さんだったとは!それにしても、とても面白いコンセプトですね。

ありがとうございます。自分は何か大きなことを成し遂げたいと思っているわけではなくて、このコンセプトを実現できる人が増えたらいいなと思っています。サラリーマン時代、行きたいときに行きたい場所に行けなくて悔しい思いをしたことが多かったので、今の自分のように自由に行き来できる仲間を増やしたいです。

とはいえ、もう少し会社を大きくして、社員旅行で世界一周するというのはやってみたいのですが。

―将来やりたいこともオリジナリティがあふれてますね(笑)。なんだか話を聞いていると、「旅」そのものが、岡村さんの人生のキーワードな気がしました。

旅は重要なパートですが、私としては旅自体が目的ではないんです。「必要な時に、必要な場所に行ける力」「会いたい時に、会いたい人のいる場所に行ける力」を大事にしたいと思っています。旅をし続けるわけでも、一ヵ所に留まり続けるわけでもなく、どこにいても働けるように仕組みを作っておくことが重要です。

そうすると、これから結婚や子育てなどライフステージが変化したときも、対応しやすくなりますよね。また、ちょっとした旅行をしたい時もハイシーズンや土日を避けやすいですし、ワーケーションのような長期滞在もしやすいです。旅に出っぱなし・一切出ないのではなく、ハイブリッドがちょうどいいと思います。

―バランスが大切なんですね。岡村さんはギルドを経営する傍らでサスタビにもジョインされていますが、こちらではどんなことをしていきたいですか?

ぜひ多くの人に海外を一人旅をしてほしいという思いがあるので、旅を広める活動がしたいです。また、単に行くだけではなく「旅先では自分が日本代表だから、代表として恥ずかしいことはしない」という意識を持ってもらえたらと思います。あまりに好き放題やって、世界から「日本人に来てほしくない」と思われるのは嫌ですよね。

だから、サスタビ20ヶ条や、サスタビが目指すかっこいい旅人について知っていただき、旅することで地域にも自分にも良い影響を生み出せる人が増えたらと思います。

 

この記事に対するご感想やご意見は、ぜひコメント欄から投稿お願いいたします

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。

関連記事

  1. 気候変動で飲食業界はどう変わる? ――タイイチさんに聞いてみたVol.3

  2. タイイチさんが聞く、「サスタビ」って何のためのサイト?【前編】

  3. 世界の入出国事情2021 ――タイイチさんに聞いてみた Vol.2

  4. 【島根県】地元の人たちが持ってきた食材が出てくる宿、隠岐島「燻家」インタビュー

  5. ツーリストシップとは?田中千恵子氏から学ぶ、観光者としての自分の磨き方【後編】

  6. 「個性のあるコミュニティや想いのあるコミュニティを増やしたい」――『Share Village』丑田さんインタビュー

  1. 岐阜のサステナブルな見どころ!NEXT GIFU HERITAGE …

  2. 「サステナブル」は手段?それとも目的?:旅を楽し…

  3. 【北陸】新潟のサステナブルツーリズム5選!事例・ス…

  4. 第2回サスタビフォトコンテスト、審査結果発表!

  5. 富山県で、サステナブルツーリズムをしよう!おすす…

  1. オーバーツーリズム解説!【前編】「観光公害」との…

  2. 解説!マクドナルド化する社会とは【前編】#サステ…

  3. 位置財・観光・平等:地域の持続と旅の持続

  4. 【関東】東京都内のサステナブルツーリズム5選!事…

  5. 「旅=非日常」はもう古いかも!?――「かっこいい旅…

月別記事・レポート