今回特集する地域・蔵前エリアは、町工場や問屋が集まるものづくりの街でありながら、近年リノベーションカフェやショップなどが次々とオープンし東京のブルックリンとも呼ばれる街へと進化しているのです!
そして、近年サステナブルなスポットも数多く誕生していることから、一度記事で取り上げたいエリアでもありました。東京駅からほど近く、浅草から徒歩圏内の蔵前エリアは、古くからものづくりの街として発展を遂げてきた歴史を持ちます。
「蔵前」の地名は江戸幕府の年貢米を納める蔵が立ち並んでいたことに由来しており、当時は墨田川沿いに米問屋などが軒を連ねる風景が広がっていたそうです。
近年、蔵前は「東京のブルックリン」と呼ばれる注目のスポットへと変貌していると冒頭でもお伝えしましたが、NYの人気を誇る観光地ブルックリンと蔵前にはどんな関係性があるのと思う方もいらっしゃるかもしれません。
両者は、どちらもクリエイティブが盛んな街であることが挙げられます。
蔵前を含む台東区は「ものづくりの街」として革製品や伝統工芸品、おもちゃなど生活関連用品産業が盛んです。
一方のブルックリンは、1990年代にクリエイターやアーティストが移住したことから今でも感度の高い人々が集まる街として存在感を放っています。
ぜひ、蔵前を訪れる前にはサスタビ20カ条にもある「03 事前に旅先の歴史・文化をしらべておこう」も参考にしてみてください。
今回は、編集部が厳選した蔵前エリアのおすすめサステナスポットを6つ紹介します!
Elab
1件目に訪問したのは「循環する(暮らし)をえらぶラボ」を掲げるElab(えらぶ)。
外観からは飲食店のように見えますが、カフェ、雑貨販売、ワークショップ、勉強会も実施されているサーキュラーエコノミーの発信を行う施設です。
訪問したのはちょうどお昼に差しかかる時間帯。
まずはお待ちかねのランチタイムとしましょう!
ショーケースに並ぶ色彩豊かなデリを見るだけで心が躍りますね。デリ付きのランチセットの場合、この中よりソース1種+お好きなデリ2種を選びます。
どれも美味しそうで、迷ってしまいます!
頂いたランチメニューはこちら。
ミートボールとファラフェルをベースに選べるソース1種+デリ2種がセットになっています。
筆者は左のプレート:選べるデリ「あやめ雪カブと柚子麹マリネ」、「菜の花と人参のポテトサラダ」に豆乳マヨネーズをセレクトしました。
ひよこ豆やそら豆でつくることがポピュラーなファラフェルですが、Elabでは有機大豆を使用、ミートボールのお肉は獣害対策に狩られたイノシシを使用するなどきらりと光るこだわりが詰まっていました。
Elabのメニューにたっぷりと使用されているお野菜たちは、近隣の契約農家から仕入れたもの。
毎週農家さんより野菜リストが届き、それをベースにメニューを考えているのだそう。
つまり、訪れる度旬の食材を美味しく頂けるということですね……!
そしてサスタビ20カ条「11 地元食材を使ったレストランに行こう」にも当てはまります。
お食事を楽しむことが、循環の一部に参加するアクションにつながるのです。
お食事の他にも、焼き菓子やずらりと並んだ薬草茶を目当てに訪問してみるのも良いですね。
自分にも地球にも優しく、循環するお食事を頂き身体も心も大満足の訪問となりました。
店内にはゼロウェイスト生活を始めたい方におすすめしたい、洗剤類の量り売りコーナーも。
「必要なモノを、必要な分だけ購入する」暮らしを取り入れると、自分の心も豊かさに一歩近づけるかもしれません。
MAITO蔵前本店
続いて訪れたのは「ヒトと自然にやさしいものつくり」をモットーにした草木染めファクトリーブランドMAITO蔵前本店。
自然の恵みを生かした草木染めのアパレル・雑貨などを展開する「MAITO」のアイテムを実際に手に取ることができるストアです。
取材日の2月下旬は、やひと足早く春の足音を感じる桜染めのアイテムたちがピックアップされていました。
桜染めの優しいピンク色は、桜の花びらの色を連想しますがなんと枝と花のつぼみ由来だそう。
多くの天然素材を使用した草木染め製品が目白押しなので、ぜひ実際にお店を訪れて草木染めのエピソードに触れてみてくださいね。
化学染色が当たり前の現代、MAITOは日本の伝統や技術、豊かな自然に見直すことをさまざまなプロダクトを通じてわたしたちに提案します。
実物に触れることで「天然素材からこんな美しい色彩が表現できるんだ」と、自然のポテンシャルを大いに感じるとともに、身にまとうことで木々や花々のパワーをもらえそうです。
サスタビ20カ条「16 伝統工芸品を応援しよう」にもつながりますね。
数あるアイテムの中、筆者が気になった「家で染める草木染めキット」。
カラーは、Maito Design Worksで実際に使用されている厳選された6種類の染料から選択できます。
ご自宅で本格的な草木染めを体験することをコンセプトにしたキットは、染料、リネンコットンストール、その他染色に必要な小物などがまるっと含まれていますので、染物が初めての方にも安心。
贈り物やお土産にも喜ばれそうです!
MAITOを訪問したらぜひ1つはゲットしたい「草木染刺し子糸」。
福岡県の工房で職人が手染めしたという刺し子糸は、手仕事ならではの風合いが魅力です。
筆者も、ダーニング(衣類を繕う方法のこと。あえて布地と反対色の糸を使用しデザイン性を持たせることが魅力)用に茜染の糸を購入しました。
隣接する工房で定期的に開催されている草木染めワークショップは、申込受付後すぐに枠が埋まってしまうほどの盛況ぶりだそう。
個人・団体いずれの場合も予約必須なので、気になる方はお早めに情報の確認をおすすめします。
サステナブルに進化する街、蔵前から目が離せない!
後編では、ちょっと変わったコンセプトの本屋さん「透明書店」やロスフラワー問題に取り組む「ethica」などおすすめのスポットを引き続き紹介していきます。
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