サステナビリティの視点から考えたい!旅と防災

サステナビリティの視点から考えたい!旅と防災

災害大国である日本。能登半島地震や発生が危惧されている南海トラフ地震、年々激甚化する豪雨災害など、そのリスクは高まっていますね。
旅人にとっても、「防災」は今後ますます外せないキーワードとなってくるはずです。そこで、今回は旅と防災をサステナビリティの目線から考えていきましょう。
 

旅先における防災対策や持続可能な社会のために求められていることとは

出典:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/environment/sosei_environment_fr_000143.html

まず、旅における防災についておさらいしたいと思います。冒頭でも触れたように、わたしたちは旅先や出張中にも災害に見舞われるかリスクを考慮すべき時代に突入していると言えるでしょう。202411月には、仙台市にて「観光レジリエンスサミット」が初開催されるなど、国際的にもその動きは加速しています。

観光地にも、災害に強いインフラの整備が必要とされています。インフラと言うと一般的にコンクリートなどでつくられた、人工的な防波堤やダムなどがイメージされやすいですが、自然の持つ多機能なポテンシャルを生かし防災を含む町づくりに寄与する「グリーンインフラ」が提唱されています。

グリーンインフラは、「防災・減災」、「地域振興」、「環境」3要素から構成されているもので、生物多様性を生み出す、街中のオアシスをもたらすなど観光資源としても注目の次世代の社会の在り方を示すものなのです。

そして、旅行者にも防災知識を持つなど防災意識の向上が求められています。具体的に取り組むためには、旅行前の準備がカギ!宿泊日数や季節に合わせた防災キット訪問先の地理的条件や過去の自然災害を確認する他、現地で被災したことを想定した避難経路の確認など行動計画の策定も有効でしょう。
また、平常時よりお住まいの地域で行われている防災訓練や関連イベントへ参加し、知見を深めることも有効な手段のひとつかもしれませんね。

事例から知る「防災ツーリズム」

サステナビリティにつながる大きなヒントとなる動き「防災ツーリズム」をご存知でしょうか。これは、1995年の阪神淡路大震災をきっかけに登場し全国で取り組みが進められているものです。今回は、全国の取り組みの中から気になるものを2つピックアップしてお届けします。

高知県黒潮町の防災ツーリズム

高知県黒潮町の防災ツーリズム

出典:https://kuroshio-kanko.net/bousai/programs/program002/

恵まれた海洋資源とともにつながれてきた人々の営みが今に残る、高知県黒潮町。太平洋に面しホエールウォッチングやサーフィンを目的に訪れる旅人も多いそうです。反面、国内でも最大級となる高さ34mの津波が想定されている地域であることから街では「避難放棄者ゼロ・犠牲者ゼロ」を目指す取り組み「黒崎町防災ツーリズム」が行われています。

その中で旅人が参加できるプログラムには、まず防災活動に携わる地域住民のガイドの元実施される国内最大級の津波避難タワー「佐賀地区津波避難タワー見学」があります。次に、8大アレルゲン(食物アレルギーの内表示義務がある特定原材料である卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生、くるみ)不使用にこだわったという黒潮町缶詰製作所の防災缶詰を使用した「防災缶詰プログラム 防災缶詰創作料理」があります。

「毎日食べたい非常食=日(ひ)常食」として、使いながら備蓄するローリングストック推進のため創作料理の実践を通して美味しく防災が身近となりそうな内容です。

ひょうごフィールドパビリオン 防災ツーリズム推進事業

ひょうごフィールドパビリオン 防災ツーリズム推進事業

出典:https://expo2025-hyogo-fieldpavilion.jp/program/10

20254月より開催される大阪・関西万博の関西パビリオン「兵庫県ゾーン」内のプログラムのひとつである「ひょうごフィールドパビリオン 防災ツーリズム推進事業 防災学習施設や震災遺構などと観光を組み合わせることで、国内外への地域の魅力発信にもつながりそうです。具体的には、阪神淡路大震災を経験した街として震災復興した街並みを歩く防災まち歩き体験が1泊2日の日程で予定されています。

災害大国である日本だからこそ、世界に減災や防災の知見を広める防災ツーリズムが今後学びや人々の交流を生み、重要な観光資源となる可能性は大きいように思います。

過去の経験から学び、未来に受け継ぐことがサステナブルな旅へ

この記事では、サステナブルな旅と防災の結びつきをさまざまな取り組みなどから見てきました。地域の人々や自然、健康な社会基盤があってこそ成り立つ「旅」はすべてのステークホルダーが互いに手を取り合ってこそ実現するものだと改めて知る機会となったのではないでしょうか。

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