石川県・能登町は金沢から高速バスで約2時間、または羽田空港から約1時間ほどでアクセスが可能で、2024年1月の能登半島地震から間もなく2年が経とうとしてる今復興を目指す最中の地域です。灯台がシンボルの禄剛崎や、名勝地名勝「白米千枚田」などの観光スポットが知られる他、北陸地方最北の能登は「能登の里山里海」として生物多様性や農村文化を継承していくことを目的とした世界農業遺産に登録されているなど里山から里海までがシームレスにつながり独自の文化を今に伝えています。
「能登に今行っていいの?迷惑ではない?」などと疑問に思う方もいるかもしれません。石川県では、早期復興に向け観光客の受け入れを歓迎しており「今行ける能登」のページで最新情報を発信しています。
次の旅行先は、サステナブルを体感できるスポットを訪れてみませんか?地球も、あなたの心も豊かになれる石川県・能登のおすすめスポットをジャンル別に3カ所紹介します!ぜひ、能登を訪れる前にはサスタビ20カ条にもある「03 事前に旅先の歴史・文化をしらべておこう」も参考にしてみてください。

能登のサステナブルツーリズム事例3選
筆者が実際に足を運んだスポットを中心に、能登のサステナブルツーリズム事例を見ていきましょう!
【食事処】すずなり食堂・すずキッチン

能登半島地震からしばらくの間、避難所の方や工事関係者にお弁当を提供し支えた地元の飲食店が、2024年秋に珠洲市の道の駅すずなりに隣接する場所に集まり開設されたと言う「すずなり食堂・すずキッチン」。訪問した当日はランチの時間帯で、お弁当を買い求める人が次々と訪れていました。そしてお弁当販売所の「すずキッチン」の奥がすずなり食堂です。すずキッチンで購入したお弁当のイートインスペースとしても利用可能だそうで、ボランティアの大学生や地元の方などでにぎわいを見せていました。

海鮮丼やカキフライ定食などの海の幸やカツカレーなど15種類ほどのメニューが並ぶ中、おすすめメニューであるタコカツ丼(1,430円)を頂きました。しっかりと濃いめの味付けかつボリューミーなタコカツが食欲をそそります。被災地の復興を支え続けている食堂からパワーをもらいました。
【お土産・観光情報】道の駅すずなり
能登最北の地である珠洲市に位置する道の駅すずなりにある施設がすずなり館です。旧珠洲駅プラットホームを残し、観光案内窓口やお土産販売所の機能を持ち訪れる人々を出迎えます。


お土産販売所は、けっして広くはありませんがこじんまりとしたスペースに、地元産のお塩を使ったどら焼きやクッキーなどのお菓子、珠洲焼などの伝統工芸品、能登ヒバを使用した雑貨などここでしか入手できない地域に根差した商品が多数取り扱われており見て回るだけでも楽しい空間でした。地元でつくられたお土産品の購入は、その土地の経済循環に寄与する他文化や伝統などを知ることや周りの人へ伝えることにつながります。詳しくはサスタビ20カ条でも提唱する「17 お土産は地元で作られたものを」を参照ください。

【復興ツアー】リブート珠洲
リブート珠洲では、珠洲市の復興の今を知る復興支援ガイドツアーを個人や団体向けに実施しています。これは能登半島地震の被災地を実際に訪問してもらい、地域住民の活動を知ってもらうことや防災意識を高めてもらうこと、そしてなにより珠洲の魅力を五感で感じてもらうことや復興を応援してもらうことを目的に各種ツアーを展開しているそうです。今回の訪問では残念ながら利用することは叶いませんでしたが、下記でリブート珠洲が提供するツアーを2つ紹介します。
復興支援ツアー 標準コース|被災者ガイドと巡る能登半島地震の今
約2時間半で珠洲市の被災地(見附島、宝立町など)を巡り、復興の現状を学び、参加者自身も支援活動に参加できる体験型ツアーです。建物が倒壊し更地となった現場や津波の痕跡や仮設住宅での暮らしについて、さらに復興に向けた地域の様子を知ることができる内容です。被災者の方がガイドを務めていますのでコミュニケーションを取りながら生の情報を学べることがポイントです!
復興支援ツアー 三崎町寺家コース
能登半島地震発生時には、能登町や珠洲市などで4m超の津波が観測されました。そんな現地から私たちが減災に向け学べることは多くあるはずです。このコースは、珠洲市三崎町寺家エリアの4か所のスポットを巡り防災の大切さと地域コミュニティの強さを学ぶ内容となっています。まずは、津波被害を受けながらも守られた日本最大級の寺家キリコの見学、次に被災したお寺で住職による馬頭琴演奏を交えながらお話をお伺いします。そして寺家の美しい海岸線を珠洲岬の海沿いから眺め、珠洲市が歩んだ歴史と地域の未来への思いを馳せるひとときを過ごします。最後に東日本大震災以降の避難訓練により「誰一人けがをしなかった」奇跡の避難を遂げた集落の見学をします。
能登の復興を旅で応援しよう
震災から日々復興への歩みを続ける能登半島。特に奥能登地域では震災後も度重なる豪雨被害や人口流出、インフラ復旧の遅れなど課題が山積しています。そんな状況だからこそ、観光客や旅人が現地を訪問することで地域の未来を築く力となることができるのです。現地を訪れたらぜひサスタビ20カ条の「20 旅先で発見した、サステナブルな活動しているお店や、施設、商品・サービスを友達とシェアしよう」にもあるように、旅先で発見したスポットや体験を周りの人へシェアしてみてはいかがでしょうか。
フリーのライター/エシカル・コンシェルジュ。学生時代、100本以上のドキュメンタリー映画を通し世界各国の社会問題を知る。事務職を経て独立後、ソーシャルグッドに関連する記事を執筆。都会暮らしからはじめるエシカルな暮らしを実践中。







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