人が来るほど、きれいになる浜。一人のごみ拾いから始まった与論島のサステナブルツーリズム

透明度抜群の青い海。白い砂浜。サンゴ礁に囲まれた美しい自然。

そのあまりの美しさに沖縄ともよく間違えられる「与論島」は、鹿児島県最南端に浮かぶ小さな島です。沖縄や奄美大島に比べると観光客が少なく、穴場スポットとしても知られています。

今回は、2021年の『持続可能な観光地トップ100』にも選ばれた「与論島」の魅力やサステナブルツーリズムの取り組みについてご紹介します。

与論島ってどんな場所?

与論島
奄美群島のひとつ、与論島は鹿児島県本土と沖縄県の間に位置しており、人口は現在5,000人ほど。

与論島の美しい海は「ヨロンブルー」と呼ばれており、干潮時だけに姿を現す幻の島「百合が浜」は人気の観光スポットです。海底に影が映るほど透き通った海と空、白いビーチとのコントラストは、ため息が出るほどの美しさ。

2020年には嵐のMVのロケ地となったりと、近年さらに注目が集まりつつあります。

与論島のツーリズムの歴史

与論島は1970年代の離島ブームには年間20万人をこえる観光客が訪れていました。

しかしブームが過ぎ去ると観光客数は年々減少し、2008年には6万人まで減少しています。そういった島の観光の失敗から、個々の利益だけでなく島全体での利益を考えるようになり、さまざまな取り組みが官民一体で行われいるのが特徴です。

持続可能な観光地トップ100に選出された与論島の取り組みとは?

与論島サステナブルツーリズム
2021年度の『持続可能な観光地トップ100』に選ばれた「与論島」ですが、評価のポイントは、島民全体が自主的かつ主体的に行われているサステナブルな取り組みにあります。

地域住民と行政が一丸となって立ち上げたサンゴ礁再生プロジェクトや、モニタリング調査、サンゴにダメージを与えるオニヒトデの駆除など。美しい自然を守る取り組みが与論島では活発に行われています。

そのなかでも特に注目されているのは、地元住民や観光客を巻き込んでのごみ拾い活動です。

一人の若者が始めたごみ拾いによって、島民のごみ問題意識が変わった

与論島の9つの浜には、現在「拾い箱」と呼ばれる海岸で拾ったごみを入れる専用の木箱が設置されています。

そのきっかけは、2014年に一人の若者が始めた砂浜でのごみ拾い活動でした。活動は「美ら海プロジェクト365」と呼ばれ、次第に島民だけでなく観光客も加わるようになり、2年間で参加者数は観光客も含め約6700人以上。しかし「イベントではなく、ごみを拾うことを習慣にしたい」という想いから彼はごみ拾い活動を止め、町役場と協力し「拾い箱」を設置しました。

イベントやボランティアではなく、海に来たついでに少しごみを拾う。そんな習慣を根付かせる「拾い箱」プロジェクトは、地元住民や観光客の意識を変えただけでなく、日本全国に広がっています。

個人で、ボランティアで、イベントで取り組める持続可能な環境保全活動へ

与論島サステナブルツーリズム
与論島では「拾い箱」以外にも、ボランティアグループ「海謝美(うんじゃみ)」による毎朝海岸の清掃や、小学校やB&G海洋センター、観光協会などによるビーチクリーンイベントなどが開催されています。

こういった、行政だけでなく島全体が一丸となって取り組む姿勢が、サステナブルツーリズムの観点から評価されています。

まとめ

島民も、行政も、そして観光客も一緒に砂浜をきれいにしている与論島。ごみ拾いというたった一人の小さな行動が多くの人の意識を変え、持続可能なツーリズムの歴史を作りつつあります。

島に来る人も島に暮らす人も、美しい自然を守るために何ができるのかを一緒に考える。与論島が掲げる「人が来れば来るほど、砂浜がきれいになる島」をめざし、世界に誇る美しいヨロンブルーを守っていきたいですね。

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