神社密度No.1?!長崎県壱岐島
長崎県の離島、「壱岐島」。壱岐島は、日本最古の歴史書である「古事記」に記されている国生み神話の中で伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)の夫婦神によって作られた8つの島のうち、5番目に生まれたとされる歴史深い島です。また天比登都柱(アメノヒトツバシラ)と呼ばれ、天と地を結び架け橋を担っていたとされています。現在も150以上もの神社が神社庁に登録され、鳥居だけの小さな神社や祠(ほこら)も点在しています。総面積139.42㎢、約24000人の島にしては、数多くの神社があることを揶揄して「神社密度No.1」となんていわれることもあるそう。
またこれだけ多くの神社が残っているということは、いかに地元の人たちが神社を大切に思い、守っているかということでもあります。
「壱岐のモンサンミッシェル」小島神社
その中でも近年、「壱岐のモンサンミッシェル」といわれ、人気がある「小島神社」。小島神社は干潮の時間帯以外は海に浮かぶ小島です。干潮の前後数時間の間だけ、島に渡る参道が現れ、島に渡ることができます。
その様子が、フランスの世界遺産「モンサンミッシェル」のようだと「壱岐のモンサンミッシェル」と呼ばれる。ご存じの通り、実際にはフランスの「モンサンミッシェル」は2014年に脚付きの橋がかかっており、数十年に一度の大潮以外は渡ることができます。
海に浮かぶ様子が幻想的で、太陽と月の引力に影響を受ける神秘的ということからパワースポットとしても知られています。観光客は干潮の時間を調べてその前後数時間の間に参拝に訪れます。
「日本遺産」に選ばれたことで人気。オーバーツーリズムに?!
そもそも人気が出始めたのは2015年に小島神社が浮かぶ「内海湾(うちめわん)」が日本遺産に選ばれたことがきっかけだそうです。国の文化や伝統を語るストーリーを文化庁が日本遺産として認定しいます。「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」の中の1つに内海湾が入っているため、その中にある小島神社にも注目が集まりました。また近年はSNSなどで干潮時の数時間だけ参道が浮かび上がる光景が、動画や写真などで投稿されたことも人気に拍車をかけました。
それまでは氏子さんたちが、お祭りなどで小島神社に参拝する程度でしたが、注目されたことから参拝客が大幅に増えました。
参道の石段崩落の危機でクラファンに挑む
石段があるのは、浮かび上がる参道、白い鳥居の先にある小島の裏あたりです。小島の裏から上の拝殿に上がれるようになっています。小島自体の土壌がもともと柔らかく崩れやすい上に、たくさんの観光客が使ったことによってさらに傷みが加速してしまいました。
これまでは氏子さんたちが、補修をしてきましたが、これ以上は自分たちの手では難しく、業者の手が必要です。
また参道は干潮時以外は海に沈んでいるため、土壌は柔らかく、車両での搬入は難しいという状況です。そして「潮待ち」といって干潮になる時間を待たなければならず作業できる時間が少ないという特殊な条件があります。工事費用は高額になってしまいます。
このような状況から、地元住民らと氏子らが協力し、クラウドファンディングをスタートさせました。地元住民が昔から大切にしている神社の素晴らしい光景を、これからもたくさんの人に見てもらおうと奮闘しています。
シーカヤックや手漕ぎ船で海上参拝
すでに工事はスタートしており、参拝ができない期間があります。
そんな時は海上から参拝する方法もありますのでご安心を。
シーカヤックや手漕ぎ船で小島に近づき、鳥居や小島のあたりまで行って手を合わせることができます。歩いて参拝するときには干潮時のみですが、こちらは満潮の時間帯のみ体験が可能。海に浮かんだ鳥居をくぐったり、内海湾で取れた真珠を小銭代わりに投げて参拝したりと特別な体験が魅力です。
一支国シーカヤック体験
https://www.ikikankou.com/feature/iki_seakayak
小島伝馬船(でんばせん)
https://www.nagasaki-tabinet.com/islands/experience/100185
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