ジャパントラベルアワード2025が開催。今年の「日本の感動地」に輝いた11の受賞者は?

2025212日、東京アメリカンクラブで執り行われた「ジャパントラベルアワード2025」の表彰式。今回は過去最多となる196件のエントリーより「感動地」にふさわしい11の地域や企業へグランプリ・部門賞・特別賞が贈られました。

今回は表彰式に参加した筆者が、現地の空気感やこれからの日本の観光についてレポートしていきます。

ジャパントラベルアワードとは

観光から多様性社会をつくる」を掲げ、2021年より開催されているジャパントラベルアワード。観光からより良い社会をつくることを目的に、DEIDiversity, Equity, Inclusion = 多様性、公平性、包括性)、サステナビリティ、インバウンドへの取組みなどソーシャルグッドな目線よりただの観光地ではない「感動地」を表彰するアワード。

表彰式当日は2025年度のアワード受賞者が顔をそろえた他、パネルディスカッションや参加者らによるネットワーキングも設けられ、より良い観光の未来を語り合う貴重な機会となりました。

ジャパントラベルアワード2025の受賞者は?

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

【グランプリ】酒蔵ホテル® KURABITO STAY(長野県佐久市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

見事グランプリに輝いたのは、蔵人と同じように、酒造りのプロセスを体験できる「酒蔵ホテル」。創業300年地元酒蔵とのコラボレーションによるこの事業は、地域経済への貢献や伝統の継承などが審査員たちの評価を得ました。

昨年ユネスコ無形文化遺産に登録が決定し話題となっている『伝統的酒造り』。近年古くからの酒蔵をリノベーションした宿泊施設や、酒造見学などにスポットがあたる中、さらに日本の伝統的な日本酒文化や酒蔵ツーリズムを国内外へアピールする後押しとなることを伺わせる受賞でした。
また、週末限定営業で地域の女性たちが活躍していることも酒蔵ホテルのグランプリ受賞の決め手となったそうです!

【アクセシブル部門】wildwater(滋賀県大津市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

障害者や高齢者など移動やコミュニケーションにおける困難を抱える人々も広く旅を楽しめることを目指す取り組みである「アクセシブル・ツーリズム」。
車いすや目が不自由な方など障害を持つ人へ寄り添った琵琶湖唯一のバリアフリーアウトドア体験を提供するwildwaterは、体験をアクセシブルにする創意工夫と情熱が受賞へとつながりました。

発展途上中だと語るサービスの今後に注目していきたいですね!

【LGBTQ+部門】エースホテル京都(京都府京都市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

グローバルに展開する、エースホテル初のアジア拠点として開業したエースホテル京都。ホテル運営、イベントを通じたLGBTQ+コミュニティ支援、スタッフのレインボーバッジの着用などの取り組みの他バリアフリーの客室整備など、多様なゲストを受け入れるホスピタリティを高いレベルで実現している点も好評価を得ました。

【サステナブル部門】AiAii(兵庫県洲本市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

日本人とイギリス人の夫婦が淡路島で営む、天然藍染め工房AiAii。子どもや障害のある人も楽しめるような設計、原料である藍の生産を行うなどサステナビリティへの取り組みが評価されました。
古着を持ち込み染色を行う、アップサイクルの実践も可能です!

【インバウンド部門】SAMURAI TRIP(東京都大田区)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

日本の伝統的な武道・剣道を体験できるインバウンド向けツアー「SAMURAI TRIP」。数ある初心者向けの剣道体験は、子ども向けのものが多い中、部活のような稽古が体験できる点が特徴だそう。
剣道具職人への送客も行うなど、武道をより持続可能にする努力も評価されました。

【ファミリー部門】伊賀の里モクモク手づくりファーム(三重県伊賀市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

農業、畜産、宿泊など、家族で楽しめる農業テーマパーク「伊賀の里モクモク手づくりファーム」。早朝の乳牛お世話体験から1杯の牛乳ができる過程の学びや、ウインナーづくり体験などを通した食育体験が充実した施設です。
持続可能性を知るヒントが散りばめられたキッズコテージもポイントです。

【観光開発部門】HAKKO HOUSE Nagaoka(新潟県長岡市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

雪国の暮らしの中で育まれてきた保存食と発酵文化を伝えるシェフが運営する、プライベートレストラン兼宿泊施設。地域の企業や農家と連携し、地域特有の食文化を軸にした観光づくりが大きく評価を受けました。

【ソーシャルインパクト部門】ume,yamazoe(奈良県山添村)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

村の集落の頂上にあり、美しい山里の日常を、食やサウナと共に堪能できる宿泊施設「ume,yamazoe」。毎年12組の家族を無料招待する障害や病気がある人とその家族を対象にした「HAJIMARI」プロジェクト立ち上げや全国の宿泊施設を巻き込んだ社会的インパクトが高い評価を得ました。

【宿泊施設部門】箱根本箱(神奈川県箱根町)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

図書館とホテルが一体となっていることが特徴的な「箱根本箱」。2018年に出版業界の再興や本の魅力をより多くの人へ届けたいとの想いよりスタートしたそうで、地域農家や歴史にまつわるストーリーが詰め込まれた旧東海道がテーマの料理体験を通した日本文化発信も行います。
年に4回、普段は宿泊できない子どもに向けたキッズデーも!

【文化部門】TEMPLESTAY ZENSŌ(群馬県千代田町)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

ホスピタリティ業界での“修行経験”を持つ僧侶が始めた宿坊「TEMPLESTAY ZENSŌ」。町内唯一の宿泊施設であり、僧侶と1対1で会話しながら、仏教について学ぶことができます。
伝統と現代的な快適さのバランスが評価されました。

【ラグジュアリー体験部門】ツリーフルツリーハウス サステイナブルリゾート(沖縄県名護市)

Photos: ©Shiitake Creative | Japan Travel Awards

大自然の中で、リラックスしたひとときを楽しめる「ツリーフルツリーハウス サステイナブルリゾート」。モダンな建築と設備、地元の新鮮な食材を使った料理、持続可能な取り組みが評価されました。
「贅沢・ラグジュアリーは自然と共生すること」と受賞コメントを寄せていたことも印象的でした。

誰もが楽しめる日本の「感動地」へ足を運んでみよう!

愛と思いやりにあふれた空気に包まれ終了したジャパントラベルアワード 2025。みなさんはどこの「感動地」へ訪れたくなりましたか?世界が多くの社会課題に直面する中、旅から多様性を学び、現地を訪れ人々と交流することから持続可能性や平和へとつながる希望を感じるアワードでした!

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