サスタビを知る「サステナブルな旅って、なに?」―そんな素朴な疑問について、さまざまな視点から考えます。

サステナブルツーリズムとは。なぜ、いま「持続可能」な旅が必要か

サステナブルツーリズムとは。なぜ、いま「持続可能」な旅が必要か

サステナブルな旅の情報サイト

サスタビは「サステナブルな旅の情報サイト」として、サステナブルツーリズムに関する様々な記事を発信しています。

それは、気候変動(気候危機)における観光業の影響の大きさや、コロナ禍での旅による感染拡大のリスクなど、『旅のマイナス面』にも注目が集まったことがきっかけです。マイクロツーリズムやレスポンシブルツーリズムという言葉も生まれ、新しい旅の在り方を模索する動きが広がっています。

旅は人生を豊かにしてくれます。一方でその旅が、誰かを、何かを傷つけているかもしれない。

誰もが、この先もずっと楽しい旅を続けられるように、サステナブルな旅について一緒に考えていきましょう。

サステナブルツーリズムはなぜ必要か

世界全体の温室効果ガス排出量のうち、8〜11%を旅行業・観光業が占めると推定されています。※1

また、立教大学とJTB総合研究所が行った調査では、旅行業でSDGsに取り組む企業の割合は16.0%で、業種別で最低であることが明らかになりました。※2

すでに、業界として環境や社会への配慮に大きな後れを取ってきた旅行業・観光業ですが、このままでは旅人が愛する豊かな自然や、地域の伝統、美味しい食べ物などが失われてしまいます。それどころか、気候変動による災害やパンデミックが増えれば、旅行はおろか日々の暮らしさえできなくなってしまうのです。

旅の形が大きく変わっている今だからこそ、旅を提供する人も、旅を楽しむ人も、旅することに責任を持ち、その影響を考えなければいけません。

サステナブルツーリズムとレスポンシブルツーリズム

そこで重要なのが「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」や「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)」という考え方です。

では、サステナブルツーリズムとはどのようなものでしょうか。

たとえば、国連世界観光機関(UNWTO)の定義では、現在そして未来も含めた①経済 ②社会 ③環境への影響を十分に考慮した観光を指します。また、国際自然保護連合(IUCN)が定める持続可能な観光の基準「世界規模サステナブルツーリズム(GSTC)クライテリア」では①マネジメント ②経済 ③文化 ④環境 の4つの観点からサステナビリティ(持続可能性)を評価する基準を設定しています。

こうした大きな基準の他にも、旅先の地域の方々の暮らしを邪魔していないか、誰かを嫌な気持ちにさせていないか、といった人と人との関係における配慮も欠かせません。

しかし「どのような旅ならサステナブルツーリズムと言えるのか?」という問いの答えは1つではありませんし、絶対的な正解もありません。旅に関わる一人一人が「これって持続可能かな?」「責任ある旅ってどういうことだろう?」と考え続けることが大切なのです。
▶サステナブルツーリズム:ほかの観光形態とどう違う?

観光・ツーリズムが悪者にならないために

そもそも観光が私たちにとって身近になったのは、第二次世界大戦後からです。

それまではお金持ちの人だけができる贅沢でしたが、経済発展と共に広がり、特に1970年の大阪万博を機に大衆化したと言われています。いまではLCC(格安航空会社)などの普及や、交通網の発展により、海外にも気軽に行けるようになりましたね。

一方で、観光地に多くの旅行者が押し寄せ、混雑や渋滞が生じ、地域の人々の生活に悪影響を与える「オーバーツーリズム」が各地でおこったり、観光客のマナー違反や資源の過剰利用、ゴミの増加など、観光によって起こる諸問題が「観光公害」として問題視されたりと、観光のネガティブな面もひろがってしまいました。

それでも、私たちは旅を続けたいと思います。旅によって新たな出会いや発見があったり、明日を生きる活力をもらったり。また、観光客の存在が地域を盛り上げたり、はじめは観光に訪れた人が地域とつながり、一緒に課題を解決したり、移住して地域の一因になったりといったことも各地で起こっています。

▶関連記事:旅の功罪と持続可能な観光

観光の功罪と持続可能な観光 ―― 持続可能な社会のための観光学 Vol.3

旅のもついい面も、悪い面もきちんと見つめ、マイナスの要素は意識して変えていくことで、観光が私たちにとっても社会にとっても大切なものになっていくはずです。

サステナブルな旅をはじめよう!ひろげよう!

サステナブルな旅に、正解はありません。また、色んな事を考えすぎてせっかくの旅が楽しめなくなってしまっては元も子もありません。

旅は、家を出て、旅先へと移動し、体験や食事を楽しみ、宿に泊まり、また家に帰ってくるまでに沢山の要素が含まれます。その中でできるところから、小さなことからでも「こんな選択をしたらもっとサステナブルかな!」と思うことをしてみると、新しい旅の楽しみ方が見えてくるかもしれません。

一緒に旅をするパートナーや仲間と、「歯ブラシは持っていこうね!」「せっかくなら地域のものを食べてみようよ!」などアイディアを出し合いながら、旅をアップデートしていくのもいいですね。

自分も、他の誰かも、未来の人々もずっと旅を続けられるように、私たちが今できることを一緒に探していきましょう。

参考:
・持続可能な観光の定義(UNWTO駐日事務所)
・持続可能な観光ガイドライン(観光庁・UNWTO駐日事務所)

注1:A NET ZERO ROADMAP FOR TRAVEL & TOURISM(WTTC)
注2:観光産業におけるSDGsの取り組み推進に向けた組織・企業団体の状況調査(立教大学・JTB総合研究所

この記事を書いた人

鈴木 さやか

ライター・コミュニティ運営

東京大学大学院在学中。専門は環境教育/社会教育。渥美半島⇔横浜の2拠点生活でローカル(実践)とアカデミア(理論)を行き来しながら、無理なく持続可能な生き方の選択肢を探求中!

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